かつてのクルマにはタバコに火をつけるための「シガーライター」という装備品がセンターコンソールなどに取り付けられていたが、最近はめっきり見掛けることがなりました。はたしてシガーライターは絶滅してしまったのでしょうか。
■「シガーライター」は絶滅したのか?
かつてのクルマに存在した“懐かしい装備品”と言えば、思い当たるもののひとつに「シガーライター」があります。
以前は内装のフロントパネルやセンターコンソールなどに当たり前のように装備されていましたが、最近はめっきり見掛けることがなりました。
はたしてシガーライターは絶滅してしまったのでしょうか。
シガーライターは、コイル状の電熱線を加熱し、その熱でタバコに火を付ける装置。
シガーライターの対になる「シガーソケット」という、シガーライターの電熱線を加熱するための装置に押し込んで使用するものでした。
はたして、現在販売されている乗用車でシガーライターが標準装備、またはディーラーオプションで追加装備できるクルマは存在するのでしょうか。
各販売店に確認したところ、驚きの実態が見えてきました。
まず最大手メーカーである「トヨタ」では、標準装備・ディーラーオプション共に、シガーライターを装備している車種は現在ラインナップには存在していません。
次に確認した「ホンダ」も同様に、現行モデルではディーラーオプションでも一切用意していないとのこと。
もしかしたら残っているかと期待を込めた「日産」は、以前は上級セダンの「スカイライン」など一部の乗用車にシガーライターが標準装備されていたものの、なんと現在はどのモデルにもオプション設定すらありませんでした。
「マツダ」も、2013年を最後に乗用車からシガーライターは消滅しており、現在も復活した様子はありません。
また、「スバル」もかつては多くの車種においてシガーライターがディーラーオプションで残されていたメーカーでしたが、現行モデルでは全モデルとも対応していないとのことでした。
「ダイハツ」も、以前は「アトレーワゴン」など一部の車種にディーラーオプションで追加装備することが可能でしたが、直近のモデルチェンジで全てオプションからも消えています。
■「装備可能」な車種が存在するメーカーとは?
残る国産メーカーが「スズキ」と「三菱」となった段階で、ようやくシガーライターを装備できるモデルを発見できました。
まずスズキは、軽トラックの「キャリイ」でのみ、ディーラーオプションでシガーソケットとシガーライターを装備することがまだ可能になっています。
そして「三菱」では、ミドルサイズクロスオーバーSUVの「エクリプス クロス」でシガーライターが装備可能。
このモデルのみ、スズキ同様にディーラーオプションでシガーライターを装着できる純正アクセサリーキットがあるとのことでした。
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かつてはどのクルマにも装備されていたシガーライターですが、2023年時点では標準装備されているモデルは一台も無く、ディーラーオプションでも装備可能なモデルはたった2車種と、“ほぼ絶滅”といって良い状態でした。
数年ほど前は、ディーラーオプションで追加装備できる車種がたくさん存在していましたが、ここ数年のモデルチェンジやマイナーチェンジで急速に廃止の動きが進んだようです。
健康志向や禁煙ブームが完全に定着し、思えば灰皿さえも装備していない車種が大半となった今、シガーライターが姿を消すのは仕方のないことかもしれません。
ただし、シガーライターによく似た形状を持ち、電気の使用を目的とした「アクセサリーソケット」はほとんどの車に装備されているので、ここに社外品でシガーライターを取り付けることは可能です。
現代のクルマを購入しつつシガーライターが必要という人は、社外品で取り付けてレトロな気分を味わってみるのもいいかもしれません。