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実はめちゃ古い!? 「自動車専用道路」の標識 モデルのクルマはなに? 正体は高級「斬新モデル」だった?

くるまのニュース 2023年9月2日 12時10分

自動車専用道路の標識には、何やら古いクルマが描かれていますが、ベースになったモデルはあるのでしょうか。

■「旧車」に見えるが… その正体は?

 道路標識のひとつに、「自動車専用道路」ということを示す丸い標識があります。
 
 この標識は青地に白色でフロントから見たクルマが描かれているのですが、この標識の元となったクルマは何なのでしょうか。

 自動車専用道路の標識は、高速道路(高速自動車国道や自動車専用道路)の入口や出口に表示され、排気量125cc以下の自動二輪車や原付、ミニカーなどが通行できないことを示しています。

 そんな自動車専用道路の標識に描かれているクルマは、大きな丸いライトと大きなグリルが特徴です。

 最近のクルマではあまり見られないデザインで、一見するとクラシックカーのように見えますが、どんな車種がモデルなのでしょうか。

 道路標識を設置・管理している国土交通省の担当者は自動車専用道路の標識について、以下のように話します。

「この標識が作られたのは1963年3月です。当時、国際連合道路標識(国連標識)を取り入れる形で道路標識を改正しており、この自動車専用道路の標識も、国連標識にならったものになっています」

 国連標識は、フランス、ドイツ、イタリアの標識を母体とする標識で、国際性と速認性の高さが特徴です。フランスやオランダ、イギリス、ドイツ、スペインなどの国連標識加盟国で、統一された国連標識が使われています。

 また、国連標識加盟国ではありませんが、国連標識にならった標識を採用している国も多くあり、日本もそのひとつです。

 しかし、デザイン元がわかった一方で、どの車種がモデルなのかはいまだ不明のようです。

 標識のクルマはクラシックカーのような見た目なので、恐らくは当時のクルマをモデルにしたと思われるのですが、国連標識が発行された1950年の海外モデルに、自動車専用道路の標識と似たモデルはないのでしょうか。

「丸い2灯ヘッドライトに縦に大きなグリル」という特徴を抑え1950年代に販売されたクルマという条件で探した結果、似ているモデルを発見しました。

 それが世界初の自動車を生み出したメーカーのひとつ、メルセデス・ベンツから登場した「180」(W120)です。

 180は1953年に登場した4ドア中型セダンで、メルセデス・ベンツは「近代自動車のパイオニア」と称しています。愛称は「ポンツーン メルセデス」で、フロントフェンダーからリアフェンダーまで一体成型化された最初のモデルです。

 当初は斬新なモデルでしたが、後に高級車のベンチマーク的な存在となり、エンジン、キャビン、トランクの明確に分離されたセクションを備えたいわゆる「スリーボックス デザイン」は、現代にも継承されています。

※ ※ ※

 なお、この時代のメルセデスのラインアップを見ると、「220」(W180)や「300」(W186)も大きなヘッドライトと巨大なグリルを備えているので、もしかしたら他のモデルということもありそうです。

 とはいえ、世界初の自動車を生み出したメーカーで、かつ近代的なボディ構造を採用したクルマということで採用されたとするならば、納得ができます。

 今となっては、その真偽のほども定かではありませんが、もし、自動車専用道路の標識を見かけたら、そんな歴史的な名車に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

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