日本全国には、その地域に住む方以外には馴染みのない特殊な道路がいくつも存在します。そのひとつと言える「ラウンドアバウト」という交差点について、走行ルールとともに実際にどこに設置されているのかを、関東エリアの中から紹介します
■“珍”道路「ラウンドアバウト」って何だ!?
日本全国には、センターラインの位置が時間帯によって変わったり、一般道でありながら最高速度が時速80kmに設定されていたりと、その地域の住民以外には馴染みのない特殊な道路がいくつも存在しています。
そのような珍しい道路のひとつとして、「ラウンドアバウト」という見慣れない交差点が挙げられます。
ラウンドアバウトは「信号のない環状交差点」のことを指し、欧米諸国や東南アジアを中心に世界各国で採用されていています。
近年ではこのラウンドアバウトが、日本でも一部地域から徐々に導入が進んでいます。
本記事では、なかなか遭遇できないこのラウンドアバウトの走行ルールとともに、実際にどこに設置されているのかを関東エリアの中から紹介します。
ラウンドアバウトの構造は、中央に円状の「島」が設けられており、その周囲をぐるっと囲むように「環道」と呼ばれる一方通行の車線が設けられています。
そして、ラウンドアバウトに接続された複数の道から交差点に進入した車両は、この円状の道路をゆっくり走りながら、目的の方向の道路へと退出できるようになっているのです。
第一に理解すべき点は、ラウンドアバウト内は絶対に「時計回り」で進まないといけないこと。
そのため、進入時は必ず「左折」で入ることになります。
ただしラウンドアバウトは、すでにラウンドアバウト内を走行しているクルマが優先車両になるので、ラウンドアバウトの進入口に付いたら必ず一時停止し、周囲の安全を確認してから進入してください。
ラウンドアバウトに入ったら先述の通り時計回りで進み、退出したい道路が近づいたら左折の合図を出して、安全を確認してからラウンドアバウトから退出します。
このように、通常の十字形の交差点と異なり円形のため初めて遭遇すると戸惑うかもしれませんので、事前にルールをしっかりと覚えておきましょう。
■関東エリアのラウンドアバウトはどこにある?
突然ラウンドアバウトに直面して戸惑わないためにも、「ラウンドアバウトがどこに設置されているのか」をあらかじめ把握しておくことも大切です。
2023年8月時点で、関東エリアには以下の場所にラウンドアバウトが設置されていることが分かっています。
●東京都のラウンドアバウト
・東京都多摩市桜ケ丘1-80
・武蔵村山市大南5-1-75
●神奈川県のラウンドアバウト
・横浜市金沢区柳町24
・横浜市港北区新横浜3-10
・横須賀市ハイランド内
●埼玉県のラウンドアバウト
・入間郡毛呂山町前久保南3
・入間市上藤沢530-2
・戸田市JR戸田駅西口
・日高市高萩東2-29-3
・羽生市須影732
・寄居市寄居駅南口
●千葉県のラウンドアバウト
・千葉市稲毛区緑町2
・市原市有秋台東3
・千葉県市原市鶴舞1054-75
・市川市市川塩浜土地区画整理区域内
・長柄町力丸交差点
●栃木県のラウンドアバウト
・栃木県大田原市狭原1223-222
・宇都宮市西川田3丁目23-14
●群馬県のラウンドアバウト
・安中市安中榛名駅前
これらのラウンドアバウトが設置されている場所は、どこも基本的に住宅街が多いため、観光などで立ち寄ることは少ないかもしれません。
しかし、いざというときに慌てないためにも、自分の住まいに近い場所や、仕事などで走行する可能性のある地域にはどのあたりにあるかを覚えておくと良いでしょう。
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国内のラウンドアバウト設置数は年々増えています。もしかすると、身近な場所にも新しく設置される可能性もあるでしょう。
念のため、ラウンドアバウトの走行ルールを覚えてみてはいかがでしょうか。