Infoseek 楽天

30年落ちのトヨタ「ハイエース」が200万円超え!? なぜ? 23万キロ“過走行”で傷もあるのに… 意外すぎるモデルが米で落札

くるまのニュース 2023年8月29日 19時10分

アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」にて、約200万円で落札されたトヨタ「ハイエースワゴン(100系)」はどのような個体だったのでしょうか。

■まさかの30年落ち「ハイエース」が高値で取り引き

 2023年8月21日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、トヨタ「ハイエースワゴン」(100系)が約200万円で落札されました。
 
 どのような個体なのでしょうか。

 Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。

 今回、約200万円で落札されたハイエースは1989年8月に登場した4代目で、通称「100系」と呼ばれています。

 当時、現在でいうミニバンはまだ主流ではなく、「タウンエース」などをはじめ、商用キャブオーバーバンをベースに内装を改良したものが多く、ハイエースも多人数乗車可能な乗用モデルとして「ハイエースワゴン」をラインナップされていました。

 落札された個体は、1993年型の乗用モデルの上級グレード「ハイエースワゴン スーパー カスタム リミテッド」で、パワートレインは3リッター直列4気筒ターボディーゼルと4速ATを組み合わせ、駆動方式はフルタイム4WDとなっています。

 2022年の時点ですでに米国に輸出された個体のようで、中部大西洋岸のメリーランド州で登録されています。

 走行距離は23万8000キロと日本の乗用車としては多いほうですが、北米や欧州では30万キロを超える走行距離であってもそのまま使用しつづけることは珍しくありません。

 エクステリアは1980年代から90年代に流行したベージュ/ブラウンのツートンカラーに、同様にクロカン車などで多く見られた「スーパーカスタムリミテッド」「フルタイム4WD」をアピールするデカールがあしらわれているほか、大きなグリルガード・リアバンパーガードを装備しています。

 塗装は一部板金修理を行ったケースがあるほか、リアバンパーガードにはへこみがあり、さらにテールランプにキズがあるとはいうものの、30年の歳月と20万キロの過走行を感じさせない、比較的キレイなボディが目を引きます。

 インテリアはブラウンの純正シートが残っていますが、運転席はヘタリが見られ、ブラウンのシートもやや使用感を感じさせ、電動のリアカーテンは一部が動作しないようです。

 一方で、メンテナンスはきっちりとされていたことがうかがえ、フロントシート下のエンジンはキレイな状態を維持。下回りは30年経過している4WD車にも関わらず、大きなサビは見られません。

 さらに、日本国内でのオイル交換歴を示すステッカーや、運転席ドアの注意書きステッカーなどがそのままの状態で残されているため、日本国内の歴代オーナーによって、大切に扱われてきたとみられます。

 このハイエースワゴンは8月15日に1000ドルからスタートし、14件の入札合戦が繰り広げられたあと、1万3751ドル(当日レートで約201万円)で落札されました。

※ ※ ※

 映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、そのうち特に人気なのはトヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」をはじめとする1980年代から90年代のスポーツカーで、高値で取り引きされています。

 特に北米では「25年ルール」という、クラシックカーとして登録できる決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても、製造から25年が経過すれば走行可能になります。これにより、多くの国産スポーツカーが輸出され、現地のオーナーによって大切に乗られているのです。

 その一方で、今回のハイエースワゴンなどのように、一般的な乗用車が輸出されることもあります。

 現地マニアの間では「JDM(Japanese Domestic Market)」という、日本固有の車検ステッカーやナンバープレート、国内の保安基準に適合する形状のヘッドライトなどを装着し、日本で走行していたそのままの仕様で乗るというカスタムが流行しています。

 日本では役目を終えたと思われている乗用車も、遠く離れた土地で第二の人生を歩んでいます。

この記事の関連ニュース