近年、明るいカラーのレザーシートを装備するモデルが増えていますが、色移りや擦れなどが目立ってしまうことがあります。どのように手入れすればいいのでしょうか。
■オシャレだけど… 明るいレザーは維持が大変?
近年では、内装の色にホワイトなどの明るいカラーを設定する車種も増えてきています。
そんな明るいカラーの内装でも、レザーシートを採用しているモデルの場合、気になるのがそのお手入れの方法です。
クルマを構成する部品は数多く存在しており、多くが必要不可欠なものであることは言うまでもありませんが、乗車中に常に触れることになる部分がシートです。
ただ一口にシートといっても、商用車などに採用されるビニール製のものからファブリック(布製)のもの、そして高級車などに採用されることが多いレザー(本革)までその素材はさまざま。
ひと昔前まではシートの生地の色というと、汚れの目立ちにくい黒やグレー、紺など濃色が主流となっていました。
しかし近年では、内装の色やデザインにも拘るユーザーが増えてきたこともあり、ベージュやグレージュ、ホワイトといった明るいカラーを設定する車種も増えてきています。
明るいシートカラーは室内を華やかに彩ってくれるだけでなく、広々とした印象も与えてくれるため、近年ではコンパクトクラスの車両にも採用されることが増えてきています。
例えば、マツダのコンパクトモデル「MAZDA2」には、一部にレザーを使用したグレージュ内装も用意されるなど、クラスを超えた質感の高さも魅力のひとつとなっているのです。
そんな明るいカラーの内装でも、前述のMAZDA2のようにレザー素材を用いたシートを採用しているモデルの場合、気になるのがそのお手入れの方法でしょう。
レザーの内装は高級感がある一方で、メンテナンスが不足すると一般的な布製のシートに比べて汚れやレザーの劣化などが目立ち、場合によっては布製シートよりもみすぼらしい印象を与えてしまうような状態にもなりかねません。
そうならないためにもユーザーがすべきことは、まず大前提として“汚さない”ことが重要となります。
一般的にレザーシートの表皮は天然皮革が使用されていますが、天然素材であるが故に色移りがしやすいというデメリットが存在するのです。
そのため色落ちしやすい衣類、代表的なものでいうとデニムなどが該当しますが、こういった素材を使用した衣類を着てシートに長時間座ると、摩擦や湿気などで染料がシートに移ってしまうリスクが非常に高くなってしまいます。
もちろん、数回デニムを着用して座ったからといって激しく色移りをしてしまうことはありませんが、できることなら色落ちしやすい材質の衣類は避けた方が無難でしょう。
そして万が一衣類の染料がシートに移ってしまったら、長期間放置せずにすぐ専用のクリーナーを用いてクリーニングをすれば、比較的簡単に元の状態に戻すことができるでしょう。
このとき使用するクリーナーは市販のレザー用ものでも構いませんが、こだわりがある人は各自動車メーカーがオプションとして用意しているクリーナーを使用するのもいいかもしれません。
■布じゃ起きない シートの「ひび割れ」どうする?
また汚さない方法のひとつとしては、シート表皮をコーティングしてしまうという方法も存在しています。
これはディーラーでコーティングサービスを実施しているところもあれば、洗車専門店などで用意しているもの、市販のコーティング剤を用いて自身で施工するものなどさまざまです。
コーティングをすることでそもそもの汚れが付きにくくなる効果があるため、新車の状態を長く維持したいのであれば、検討する価値はあるでしょう。
そしてレザーシートのもう一つの悩みとしては、表面の劣化が挙げられます。
これは乗り降りを繰り返すことで擦れやひび割れが徐々に発生してしまうというものですが、シートの状態を気にするがあまりクルマに乗らなくなってしまっては本末転倒です。
ただ、乗り降りするときになるべくシートのサイド部分に触れないように気を付けるだけでも劣化の度合いは大きく変化しますし、金具などの装飾が備わっている衣類の場合は、その金具でシート表皮を傷つけてしまう可能性もあるため、これらもできれば気を付けたいところ。
シート表皮の劣化については天然皮革ならではの問題となりますが、こちらも定期的に保護クリームなどを塗り込むことで表皮の劣化を防ぐことができるでしょう。
このように、実はよい状態を維持しようとすると、定期的なメンテナンスや気遣いが必要となるレザーシートですが、その手間を補って余りある高級感を得ることができるのもまた事実。
良い状態を保っているレザーシート仕様車であれば、手放すときにプラス査定となることも多いので、明るいカラーのレザーシートが気になっている人は思い切って購入してみてはいかがでしょうか。