クルマのホイールを大きいサイズに変更するカスタムを「インチアップ」と呼びますが、一体どのような効果が得られ、逆にどんなデメリットがあるのでしょうか。
■「ホイール」を大きくカスタムする効果とは?
クルマを新車で購入すると、車体には当然純正のホイールとタイヤが装着されていますが、このホイールは後から大きいサイズに変更することが可能です。
このカスタムが「インチアップ」と呼ばれるものですが、ではホイールをインチアップすることに一体どのような効果が得られ、逆にどんなデメリットが考えられるのでしょうか。
インチアップを詳しく説明すると、「純正では15インチだったホイールを17インチに変更する」など、純正よりも大きなサイズ(インチ)のホイールに取り替え、さらにそれに応じたサイズのタイヤを装着する行為のことを意味します。
ここで注意したいのが、「ホイールのサイズを大きくする」という行為が「タイヤの外径を大きくすること」ではないという点です。
つまり、正しいサイズのタイヤを選べば、外径自体は基本的にほぼ変わりません。
「ホイールが大きくなっているのに同じ外径のタイヤが装着できるの?」と不思議に思うかもしれませんが、ホイールが大きくなっている分、純正よりもタイヤのサイドウォール(タイヤの側面)が薄いタイヤを装着するので、タイヤの外径には変化が無いのです。
そのため、インチアップしたクルマのホイールを横から見ると、タイヤが細くなりホイールが占有する面積が増えることになります。
そんなインチアップですが、一体どのような効果が発揮されるのでしょうか。自動車ディーラーに勤める整備士に話を聞きました。
■インチアップによる「メリット」と「デメリット」とは
「インチアップがもたらすメリットとしては、まず見た目がスタイリッシュになる、そして走行性能が向上するという2つの効果が挙げられるでしょう。
インチアップすることで、タイヤ側面においてホイールが占有する面積が増えます。
つまりノーマル状態よりもホイールの存在感を際立たせることできるため、好みのホイールと組み合わせることでクルマを“よりスタイリッシュな見た目”にすることが可能となり、手軽なドレスアップの手段としてインチアップの人気は続いているのです。
また、インチアップをするとサイドウォールの厚みが薄くなるため、タイヤの負荷能力を維持するために一般的にはサイズ(タイヤ幅)が大きくなります。
このタイヤ幅が広くなることでクルマの接地面積が広がるので、結果的にグリップ性能(タイヤが道路に食いつく力)が増加し、より走行が安定するようになるのです(自動車ディーラーの整備士)」
このように、インチアップには大きなメリットがある一方で、デメリットも存在するといいます。
先述の整備士によると、インチアップで走行性能が向上する要因の「接地面積の増加」ですが、その反面、ノーマル時よりも燃費が悪くなる傾向があるとのことです。
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インチアップは、ドレスアップ効果に加え、走行性能を高めることが可能なカスタムではありますが、燃費の悪化によって維持費も増加するものでした。
愛車をよりスタイリッシュにしたい人や、走りを追究したい人は、事前にこうしたメリットとデメリットも考慮してからインチアップを検討してみてはいかがでしょうか。