トヨタは「ランドホッパー」と「ランドエスケープ」という名を商標登録したようです。これらは「ランドクルーザー250」と「ランドクルーザー70」の発表会でみせた謎のシルエットと関係があるのでしょうか。
■トヨタが「ランドホッパー」に続き「ランドエスケープ」を商標登録、その正体は?
2023年9月1日、トヨタが「ランドスケープ」という名称を新たに商標登録したことが明らかになりました。
すでに商標登録されている「ランドホッパー」とともに、トヨタ「ランドクルーザー」シリーズに追加される新たなモデルの名称となる可能性が高そうです。
2023年8月、トヨタは「ランドクルーザー250」と「ランドクルーザー70」を発表しました。
加えて、今後ランドクルーザーシリーズにさらなるモデルが追加されることが示唆されました。
2つのランドクルーザーが発表された際、トヨタのサイモン・ハンフリーズ取締役・執行役員 デザイン領域統括部長は「(ランドクルーザーに対して)カーボンニュートラルへのさらなる提案や、より手に入れやすくできないか、なども考えているのです」と述べました。
その時、ハンフリーズ氏の背景には、電動バイクのようなモビリティとロングボディのラージSUV、そしてショートホイールベースのコンパクトSUVと思われる3つのシルエットが映し出されていました。
これらを総合すると将来的にランドクルーザーシリーズにBEVなどの電動化されたモデルや、より安価なコンパクトモデルが登場することが予想されます。
2021年12月に行なわれた「バッテリーEV戦略に関する説明会」で、トヨタは多くのコンセプトモデルを発表していますが、そのなかのひとつに「コンパクトクルーザーEV」というモデルがありました。
当時から「ミニランクル」と目されていたこのコンパクトクルーザーEVと、今回シルエットが映し出されたコンパクトSUVはよく似ています。
そして2023年8月17日、トヨタが「LAND HOPPER(ランドホッパー)」という名称を、クルマやその付属品などに使用するものとして、新たに商標登録しています。
「陸の巡洋艦」という意味のランドクルーザーに対し、「陸を跳びはねるもの」を意味するランドホッパーは、その軽快な印象からコンパクトなモデルに適切なように思われます。
■「ホッパー」と「エスケープ」は新たなランドクルーザーシリーズか?
一方で、トヨタは2023年9月1日に「LAND SCAPE(ランドスケープ)」という名称を商標登録したことが明らかになりました。
「風景」や「景観」といった意味を持つこの言葉からは、ランドクルーザーシリーズらしい雄大な印象を感じることができます。
そのため、この名称もまた、3つのシルエットの新型車のいずれかに用いられる可能性はじゅうぶんにありそうです。
まず考えられるのは、ランドスケープがラージSUVの名称として用いられることです。
シルエットを見る限り、ラージSUVはこれまでのランドクルーザーシリーズには見られない流麗なボディラインを持っていることがうかがえます。
そのディティールは2021年12月に発表された「bz ラージSUV」とよく似ており、この新型車がBEVであることが示唆されています。
もし、この新型車がbz ラージSUVの市販版だとすると、むしろ都会派SUVという印象の強い1台と言えそうです。
実は「ランドスケープ」はビジネス用語としても一般的であり、「状況」「環境」といった意味で用いられます。
そう考えると都会派SUVにランドスケープの名が与えられても不思議ではありません。
一方、コンパクトSUVだからこそ見られる「風景」や「景観」があるという解釈もできるため、前述のコンパクトクルーザーEVがランドスケープの名で登場する可能性も否定できません。
そうなると「ランドホッパー」の名は、残りの電動バイクのようなモビリティに対して与えられると想定されます。
大径タイヤを3つ備え、なおかつバッテリーを搭載していると見られるこのモビリティであれば、クルマで到達した場所のさらにその先へと向かうことができそうです。
その様子はまさに「ランドホッパー」と表現することができます。
いずれにせよ、今回商標登録されたこれらの名称が何を指すのかについて、トヨタから公式なアナウンスはありません。
ただ、ランドクルーザーシリーズとなんらかの関連性があることはほぼ確実であり、トヨタからのさらなる発表が待たれます。
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登場が示唆されている2つのSUVと1つのモビリティに対して、現時点で新たに商標登録が確認されている名称は「ランドホッパー」と「ランドスケープ」の2つです。
近い将来に商標登録されると見られるもうひとつの名称が明らかになれば、その全貌解明が一歩前進することは間違いなさそうです。