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なぜコンビニは「前向き駐車」を推奨する? 一方で「事故リスク」が高まるとの声も! 賛否が別れる「駐車の向き」を巡る議論の行方とは

くるまのニュース 2023年9月8日 14時10分

コンビニの駐車場には「前向き駐車をお願いします」といった内容の看板が掲示されていることがあります。一体なぜ多くのコンビニで「前向き駐車」が推奨され、そしてこの案内について自動車ユーザーはどのように考えているのでしょうか。

■コンビニの「前向き駐車」は義務? 危険との声も

 コンビニの駐車場に「前向き駐車をお願いします」といった内容のメッセージが掲示されているのを見ることがあります。

 一体なぜ多くのコンビニで「前向き駐車」が推奨されており、この案内について自動車ユーザーはどのように考えているのでしょうか。

 前向き駐車が薦められることはバック駐車が苦手な人にはありがたい反面、後で出庫する際には周囲が見にくくなり事故の可能性が増えるのではと、SNSなどでも様々な議論を呼んでいます。
 
 コンビニがこのような看板を設置する意図としては、店舗が隣接する住宅に迷惑をかけたくないことが挙げられます。

「駐車場のすぐ横が民家」という構造の店舗では、バック駐車するとマフラーが民家に向かうため排気ガスがそちらに流れたり、さらにアイドリングなどの騒音が響きやすくなるのです。

 実際、壁に向けてバック駐車をすると壁が排気ガスで汚れて変色したり、夜間などは排気音がうるさいと苦情のみならず通報されることもあるようです。

 とはいえ、この前向き駐車を薦める看板はあくまでも「お願い」となるため、法的な拘束力は無いという面もあります。

 この問題についてSNSでは、自動車ユーザーだけでなくコンビニ近隣に住む人も加わり、安全面やマナーなど様々な観点から多くのコメントが寄せられました。

 ※ ※ ※

 まず見られたのが、「リバースで出る方が危険度が高くなる気がする」「前向き駐車をお願いする意図は分かるけど、自分はバックで停めて駐車したらすぐにエンジンを切ります。アイドリングストップを徹底した方が良いと思うので」「先にリスクの高いバック駐車をしてしまえば、出庫時に駐車場の状況が変わっていても前から出られるので確認しやすく、その分事故のリスクが減らせます」「前向き駐車したために起きた事故を何度も見ています。前向き駐車が全て正解とは思わない」「事故のリスクがある以上、強制でないなら私は絶対に従いませんね」などの、前向き駐車はバック駐車と比べて事故の可能性が高まるという意見や、法的拘束力が無い以上はバックで駐車したいというコメントです。

 その一方で、「バック駐車の方が安全だというのは一つの意見に過ぎません」「バックで停めようとしたクルマに轢かれそうになった事だってある」「前向きだろうがバックだろうが、事故の原因は結局は個人の注意力の問題でしょう」といった、どちらから駐車しようともドライバーが気をつけることで事故は回避でき、あくまでも注意力の問題であるという意見も少なくありません。

■コンビニ近隣の住民も加わり、議論はさらに発展!

 また、「近隣への配慮というのは理解できるし、店の土地なんだから前向き駐車をお願いされてるならやろうよ。出るときに事故がとか言う前に一度後ろにまわって確認しなさいよ」「コンビニがお願いするのには理由がある。苦情が来たら対応するのはお願いを無視したドライバーではなくコンビニ店員やオーナーですよ」「俺様は従わない的な言い訳ばかりでみっともない。そんなにバック駐車したいならお願いがないコンビニや他の駐車場に行けばいいと思う」「駐車場の壁をよく見るといいよ。排気ガスで真っ黒。自分の家がそんな状況にあったらどんな気持ちになるか考えたら?」と、駐車場を管理する施設側に従わないのであれば、その店舗を利用するべきでないという声も見られます。

まだまだ「前向き駐車」と「バック駐車」の議論は尽きないようです

 さらに、「コンビニ駐車場の隣に住んでたことあるけど、バック駐車されると排気ガスがすごいし、メチャメチャ騒音が凄いんだよ。前向きでも後ろ向きでも変わらないと言うのは運転手の一方的な意見にすぎません」「家の隣にコンビニが出来てから、明らかに掃除をしていて雑巾の汚れる色が変わりました」「コンビニの隣に住んでるけど、マフラーがうるさくて店や警察に連絡したこともあります。駐車の事故リスクなんて言う技術が低いドライバーは運転しないで欲しい」「家は24時間ずっと排ガスと騒音にさらされているんですよ。風向き次第って言うけどクルマの向きって結構重要です」など、コンビニの近隣に住んでいるという人からはバック駐車やアイドリングで非常に迷惑しているという実体験も。

 当然ですが、実際に住んでいる人からは前向き駐車やエンジンのかけっぱなしを良しとする声は全く見られませんでした。

 ただし、「自動車部品を製造している友人は接触事故リスク低減のため、会社からバック駐車を推奨されています」と、クルマによる事故を問題視する自動車メーカーや部品生産などを行う関連企業、あるいはタクシー会社では“社員に必ずバックで駐車するように”とルールが定められているという投稿もあり、同じ「企業」という体であっても「駐車場を管理する側」と「クルマを使用する側」で大きく意見が別れているかたちです。

 そのため、「自分の家の隣に駐車場があって、一年中何台ものクルマの排気ガスが家に向かって吹き付けてくるストレスの大きさが尋常ではないのは想像できる。しかし一方で、クルマを駐車したり出たりする側は、前向き駐車による接触事故のリスクを背負うことになるので明らかに反対の立場となる。これは意外に解決の難しい問題です」と、この問題の解は一辺倒に出せるものではないとの意見も寄せられました。

 将来的に排気ガスやアイドリングの存在しない電気自動車(EV)が普及したり、前後を完全に見渡すことが可能な安全機能がすべてのクルマに搭載されるまでは本件は解決しないという声もあり、この問題を解決するにはまだまだ時間が必要なのかもしれません。

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