モーターショーなど、世界各国で開かれる自動車イベントなどでは様々なコンセプトカーや、カスタムカーなどがメーカーから発表され話題となります。中には、あまりにも奇想天外な発想で作られ、人々に衝撃を与えるクルマもあります。そのひとつが1995年に発表された“極速ミニバン“ルノー「エスパスF1」です。
■800馬力のV10搭載!? 爆速すぎ「ミニバン」とは
東京モーターショーは、JAPAN MOBILITY SHOWと名前を変え、2023年は10月26日から11月5日まで開催される予定です。このような世界各国で開かれる自動車イベントなどでは様々なコンセプトカーや、カスタムカーなどがメーカーから発表され話題となります。
中には、あまりにも奇想天外な発想で作られ、人々に衝撃を与えるクルマもあります。そのひとつが1995年に発表された“極速ミニバン“ルノー「エスパスF1」です。
1984年に発売されたルノー「エスパス」は同社初のミニバンで、スチール製シャシに樹脂製パネル外装を使用した斬新なモデルでした。
1991年には2代目モデルが登場。初代からキープコンセプトとしながらも、より洗練された外観デザインになり、初代に続いて欧州でヒット作となったといいます。
そして1995年、そんな2代目エスパスをベースに、エスパス10周年を記念して作られたのが、“極速ミニバン”エスパス F1です。
外観こそエスパスのイメージを踏襲していますが、F1レーシングチームであるウイリアムズ・ルノーが1993年のシーズンで使用した、最高出力800馬力・最大トルク520lb ftの3.5リッターV型10気筒エンジンをミッドに搭載し、6速セミATと組み合わせるという、もはやミニバンの皮を被ったF1マシンそのものの成り立ちでした。
カーボンファイバー製パーツをふんだんに使った軽量なボディによって、0-100km/hは2.8秒、最高速度は310km/h以上と、ミニバンにあるまじき走行性能を誇っていました。
こうした“超”高性能化に対応するため、ワイドボディ化や極端なローダウン、巨大ウィングの装備などでベースとなるエスパスとはかけ離れたデザインとなっていますが、しっかりとしたモノフォルム形状で“ミニバン”としての面影は残しています。
インテリアは、4つのバケットシートが設置され、4名乗りとなるほか、ロールケージなども設置され、もはや“家族が乗る”とは言えない印象に。
何より驚きなのは、2列目の中央にエンジンがむき出しの状態で搭載されており、車内の静粛性はまるで担保されていない状態であることです。
過激すぎるエスパス F1ですが、ワンオフモデルとして制作されたクルマであり、もちろん市販化などはされませんでした。
しかし、その“伝説”は今でも語り継がれており、このような“印象的な”モデルがJAPAN MOBILITY SHOWでも登場することが期待されます。