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「自転車専用だけど…」 青いレーン上の路駐は違反? 増加する迷惑行為… 停車もダメなのか

くるまのニュース 2023年10月14日 9時10分

道路端にある青い「自転車専用レーン」を見かける機会が増えてきました。その一方でレーン上に駐車している光景も見られますが、これは違反にはならないのでしょうか。

■自転車専用レーンはクルマも人も進入禁止…横断は? 駐停車は?

 最近ではすっかり道路の端に定着してきた、自転車専用レーン。
 
 見慣れたとはいえ、クルマを停めていいものかどうか迷うこともあるのではないでしょうか。

 最近、道路の路肩に自転車のみが通行できる自転車専用レーンが続々と増えてきました。

 しかし道路の端にあるため、ちょっと停車したいときにクルマを入れていいものかと躊躇してしまうということもあるのではないでしょうか。

 そもそも、自転車専用レーンとはどういったものでしょうか。

 自転車専用レーンの正式名は「自転車専用通行帯」といいます。

 自転車がどこを走るべきかという問題は、意外と古くから検討されてきました。

 例えば、高度成長期の1960年代には、急増する交通事故の対策として、自転車が歩道を通行できる交通規制を導入して自転車とクルマを分離しました。

 しかし、自転車と歩行者の事故が減ることはなく、さらに時代を経てライフスタイルの変化により自転車の利用率が高まったことから、自転車の扱いが再検討されることに。

 2012年には、自転車は車両であるという観点に基づき、国土交通省道路局と警察庁交通局が「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を作成して自転車の通行空間を整備するよう自治体に働きかけました。
 
 これが、自転車専用通行帯をよく見るようになった背景です。ガイドライン発表当時に対応した自治体は約50か所でしたが、2018年には約200か所に急増しています。

 自転車専用通行帯は、道路交通法第20条第2項で定める、自転車が走らなくてはならない道路です。

 その名の通りクルマやバイクが走れない道であり、車道なのでもちろん歩行者も歩けません。

 どのように見分けるかというと、自転車専用通行帯は路面が青色や茶色に塗装され、「自転車専用」「自転車マーク」などが描かれています。

 またあわせて、青地に白色で「自転車マーク」「専用」「↑」と表示された標識も設置されています。

 なお、似ているようで違うのが、道路の端に描かれた白色の自転車と矢印のマークです。こちらは「自転車ナビマーク」といい、交通方法や罰則を定めた道路標示ではありません。

 自転車が通行すべき部分や進行すべき方向を示したもので、法令上自転車を保護する意味もありません。

■クルマは自転車専用通行帯に入れる場合もある? 駐車するとどうなる?

 では、自転車専用通行帯は自転車だけしか通れないのだとしたら、クルマにとっては不便ではないでしょうか。

 実は、路面店に入るときや人の乗降、荷物の積み下ろし、交通事情などやむを得ない場合は、クルマは徐行しながら自転車専用通行帯に進入することが許可されています。

 一方で、昨今ではこうした自転車専用通行帯にクルマが路上駐車するケースも目立ってきたようです。

 ほとんどの場合、自転車専用通行帯を塞ぐ格好で駐車されているため、自転車は大きく車道にはみ出して迂回せざるを得ないといいます。

 こうした路駐は問題ないのでしょうか。警視庁の交通相談コーナー担当者は次のように話します。

「自転車専用通行帯は、駐停車禁止の標識がなければ、原則として駐停車は違反にはなりません。

 しかし、東京都内で自転車専用通行帯が設置されているような大きな幹線道路では、基本的に駐車禁止の標識があるため、実質的に駐車はできないところがほとんどでしょう。

 また、停車禁止の標識はバスの通行区分などで設置されていることが多く、そうでない場所では自転車専用通行帯であっても停車は違反になりません」

後を絶たない迷惑な路上駐車…

 実質的に駐車禁止の場所がほとんどである自転車専用通行帯ですが、自転車通行の安全を守るために、警察でも自転車専用通行帯での違法駐車の取締りを積極的に推進しているようです。

 また、自転車専用通行帯であっても駐停車禁止の区間でなければ停車は可能ですが、自転車の通行を妨げることにもなるため、できる限り停車を避けると理想的と言えます。

 ただし、緊急事態の際は別です。

 救急車や消防車など緊急車両を優先するために道路の左端に寄る場合は、自転車専用通行帯に進入して待機することが望ましいです。

 道交法第18条では、クルマはやむを得ない状況以外はレーンの左側を走らなければならないと定めていますが、そのやむを得ない状況に該当すると解釈されるためです。

 なお、停車については、自治体により異なる解釈がなされていることもあります。

 例えば、自転車通行環境整備モデル地区として2010年に自転車専用通行帯を供用している石川県金沢市小坂地区では、自転車専用通行帯は駐車禁止としたうえで、5分以内の停車は認めています。

※ ※ ※

 自転車専用通行帯は車道の一部であり、道路標識で自転車の通行帯を設けた道路です。

 実質的に駐車禁止の場合が多いですが、各自治体により細かなルールが設定されている場合があるので、自分が普段使用している道路に自転車専用通行帯がある場合は、1度確認してみるといいかもしれません。

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