Infoseek 楽天

日産の「4人乗り超豪華ミニバン」が凄い! 「VIP専用モデル」はショーファーミニバンの先駆け?

くるまのニュース 2023年9月21日 18時10分

レクサスは2023年9月、新型高級ミニバン「LM」を日本で初披露しましたが、こうしたVIP向け高級ミニバンといえば、3世代・25年にわたり日産が「エルグランド」でつくり続けています。ここで改めてその歴史を振り返ります。

■3世代・25年にわたりVIP向け高級ミニバンをつくり続けてきた「エルグランド」

 高級車ブランド「レクサス」は、2023年9月15日から16日に開催したイベント「LEXUS SHOWCASE(レクサスショーケース)」で、4月に世界初公開された新型高級ミニバン「LM」を日本で初披露しました。今秋頃に国内発売を予定するニューモデルです。
 
 2列シート・4人乗りの贅沢な仕様が展示されましたが、こうした超豪華なVIPミニバンは、日産が1998年から現在に至るまで、常に「エルグランド」でラインナップし続けています。

 そもそも高級ミニバンの元祖として市場を開拓したのは、1997年5月にデビューした初代エルグランド(E50型)から始まっています。

 そして初代エルグランドデビュー8か月後の1998年1月には、日産車のカスタムカーを手掛けるオーテックジャパン(現:日産モータースポーツ&カスタマイズ/以下NMC)が、日産と共同開発で「エルグランド ロイヤルライン」を誕生させました。

 セダンに代わる新たなショーファーカー(専属運転手がハンドルを握り、オーナーやゲストが後席に乗る高級車)需要に応えるもので、航空機のファーストクラスを思わせる専用の電動VIPシートの後席を2つ揃えた4人乗り仕様となっていました。

 フロントシート後部には大型のキャビネットを装備する贅沢な専用インテリアとしています。

 足回りも快適な乗り心地にチューニングされた専用のセッティングとし、遮音性能も向上させるなど、エグゼクティブ向けの新たなショーファーカーというキャラクターは、最初から確立していました。

 そして2002年5月にエルグランドのフルモデルチェンジ後、12月にはエルグランド ロイヤルラインの後継モデル「エルグランド VIP仕様車」が追加設定されています。

 こちらも初代同様にオーテックジャパンが手がけました。

 2代目エルグランド(E51型)の7人乗り最上級グレード「XL」をベースに4人乗り化し、後席にセンターアームレストや専用電動オットマン、専用テーブルや読書灯などを備える専用本革シートを搭載しています。

 ビデオデッキ(VHS式)とCD・DVDプレイヤーを備えた後席専用オーディオシステムや、専用ACコンセントも装備していました。

 このほかフロントキャビネットや引出し式テーブルなどの多彩な専用装備も装着可能とするなど、基本的に受注生産により個別に仕様を設定できる「オーダーメイド車」という位置付けとなっていた点も注目されます。

 3.5リッターV型6気筒モデルのみの設定で、ボディカラーは専用色のブラックのみ。

 2002年当時のエルグランド VIP仕様車の販売価格は、828万8000円(消費税抜き)からでした。

■ライバルの猛追が間近に迫るなか日産の刷新も「待ったなし」だ!

 さらに2010年にフルモデルチェンジした3代目(E52型)でも、後席を大型の2人がけシートヒーター付きパワーシートにした4人乗り豪華仕様の「エルグランド VIP」が設定されました。

 初代、2代目に続き、こちらもオーテックジャパンが架装を担当します。

今も現役を続ける日産「エルグランド VIP」2列仕様車[現行型・3代目モデル]

 コンセプトは「エグゼクティブのための走る執務室」。ギャザーを施した本革シートや後席の読書灯、100V電源、ツインサンルーフなどを備えるほか、さらなる特別装備の架装といったユーザーの個別注文にも対応するのは2代目同様です。

 そしてエルグランド VIPは2023年現在もランナップを続け、VIPユーザーのニーズに応えています。

 2023年9月現在、エルグランド VIPの消費税込み価格は、7人乗り仕様が636万7900円から666万8200円まで。同4人乗り仕様は807万8400円から837万8700円までです。

※ ※ ※

 レクサスの新型LMは、多様化が進むエグゼクティブユーザーたちに向け、新たなショーファーカーの選択肢として開発されました。

 2023年9月に国内初公開された仕様は、エルグランドVIPなどと同様の贅沢な2列シート・4人乗り仕様でした。

 前後席間には48インチ大型ディスプレイや見晴らしを考えた昇降ガラスを備えるパーティションを設置し、後席にはオットマン付きの電動調整機構付き大型専用シートが2脚搭載されます。

 この新型LMは、2023年秋頃に日本での発売する予定です。

 一方で、1998年から25年にわたってVIPミニバンをつくり続けてきた日産ですが、現行の3代目エルグランドは登場から13年が経過しており、もはやモデルチェンジ待ったなしの状態にあります。

 ショーファーミニバンの先駆けである日産ならではの、次なる一手には大いに期待したいところです。

この記事の関連ニュース