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日産「スカイラインGT-R」に「4ドア仕様」が存在!? 謎の「セダンGT-R」は2モデルあった! 実は「本来の姿」なのか

くるまのニュース 2023年9月26日 19時10分

日産のスーパースポーツカー「スカイラインGT-R」の長い歴史において、例外的に2つの4ドアセダンモデルが存在していました。どのような成り立ちで誕生したのでしょうか。

■「羊の皮をかぶった狼」の称号は4ドア版GT-Rにこそ相応しい!

 日産「スカイラインGT-R」といえば、2ドアクーペのスーパースポーツカーというイメージですが、実は“4ドアセダンのGT-R”も存在しています。
 
 50年以上にわたる歴史のなかでも、わずか2モデルしか存在しない「例外モデル」の4ドア仕様を紹介します。

 現在独立した車名を持つ「GT-R」ですが、かつては「スカイライン」シリーズの頂点にラインナップされたネーミングが発端です。

 もともとのスタートは、1960年代後半におこなわれていたツーリングカーレースに参戦するための特別なモデルという成り立ちでした。

 当時このレースに参戦できる車両は、市販車がベースというルールだったことから、もともと純粋なレーシングカー用に開発した2リッター 直列6気筒 DOHC「S20」型エンジンを、「ハコスカ」の愛称で知られる3代目スカイライン(C10型)の上級モデル「スカイライン2000GT」4ドアセダンに搭載したのです。

 こうして、1969年2月に誕生した最初のスカイラインGT-Rこそが、4ドアセダンボディを持つPGC10型「2000GT-R」です。

 一見するとおとなしい4ドアセダン車の外観に、レーシングカー譲りの性能を持つ姿は、同様の成り立ちを持った2代目スカイラインのレースベース車「スカイラインGT-B」同様に「羊の皮をかぶった狼」との称号を得ています。

 ただし翌1970年10月には、ホイールベースを70mm短縮させ、運動性能を高めた2ドアモデルにベース車を変更したKPGC10型「スカイラインハードトップ 2000GT-R」が後継モデルとして登場し、わずか2年弱で4ドアセダンのスカイライン2000GT-Rは消滅しています。

 そしてこのKPGC10型がレースシーンで大活躍し、前人未到の累計50勝を記録したことで、日産の「スカイラインGT-R最強伝説」は確固たるものとなったのです。

 1973年にフルモデルチェンジし、わずか3か月のみ生産された2代目スカイライン2000GT-R(KPGC110型)は同様に2ドアハードトップで、その後1989年に16年ぶりに復活した、GT-Rとしては3代目のスカイラインGT-R(BNR32型)も、運動性能を重視し、2ドアスポーツクーペがベースでした。

 以降、1995年登場の4代目BCNR33型や、1999年登場の5代目BNR34型も、同様に2ドアモデルという基本スタイルを継承しています。

 しかしこのときの唯一の例外として、1997年12月に登場した「GT-R オーテックバージョン 40th ANNIVERSARY」(以下、GT-Rオーテック)が存在しています。

 これは、スカイライン誕生40周年を記念して登場した特別仕様車で、コンセプトは「大人のための国内最高性能4ドアスポーツセダン」でした。

 一見すると、外観は通常のスカイライン4ドアセダンのままに映りますが、リアドアとリアフェンダーにはオリジナルのブリスターフェンダーを加えワイドボディにするなど、特装車としてはかなり手が込んだ造りとなっています。

 製作は、日産のカスタムカーを多く手掛け、多くのノウハウを持つオーテックジャパン(現日産モータースポーツ&カスタマイズ)が担当しました。

 そんなGT-Rオーテックには、2.6リッター「RB26DETT」型ツインセラミックターボエンジンや、電子制御トルクスプリット4WD「アテーサE-TS」、後輪操舵システム「ヨーレイトフィードバック スーパーハイキャス」、そしてブレンボ社製ブレーキなど、2ドア版同様の超高性能が盛り込まれています。

 ただしフロントスポイラーの形状は2ドア版に比べ控えめで、リアスポイラーも非装着です。

 これは、初代の「羊の皮をかぶった狼」というキャラクターを継承したものといえ、古くからのファンにとってはたまらない存在といえるでしょう。

※ ※ ※

 なおGT-Rオーテック発表当時の販売価格は、498万5000円(消費税含まず、以下同)です。

 当時のスカイラインGT-R(1997年2月マイナーチェンジモデル)が488万5000円なのに対し、非常に手間のかかったスペシャルモデルが、わずか10万円高に抑えられていたのも注目ポイントでした。

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