有料道路とは、文字通りお金を払って通行する場所ですが、条件によっては、無料開放されることもあります。では、2020年以降に無料化された道路はどこなのでしょうか。
■高速道路の無料区間はなぜ存在するの?
高速道路は料金を払うのが当たりまえと思いがちですが、全国には無料で利用できる高速道路もあります。
それはどのような区間でしょうか。いったいなぜ高速料金が要らないのでしょうか。
日本の高速道路は、距離や区間に応じて料金を支払います。
道路の建設費を利用者が負担するという格好ですが、費用がまかなわれて無料解放される予定は2065年です。
一方で、全国の高速道路の中には、無料で走行できる道路があります。
では、なぜこのような無料区間が存在するのでしょうか。
それは、2003年の小泉政権下で行われた道路民営化が関係しています。
当時、道路公団が民営化し、現在のNEXCO3社などの高速道路会社が発足しました。
その際に当然ですが、大都市など多くの利用者が期待できる区間だけでなく、採算がとれない区間も高速会社は引き継ぐことになります。
そこで、維持管理が難しい区間については、高速道路会社ではなく国と自治体が道路建設費用を負担する制度が施行されました。このように道路を整備する手法を「新直轄方式」といいます。
現在みられる無料区間は、ほとんどが新直轄方式で建設された道路です。
高速道路会社を通さず国と自治体が税金で道路建設費用を負担するため、利用者は料金を支払う必要がないというわけです。
※ ※ ※
なお、ほとんどの無料区間にはサービスエリアやパーキングエリアなどの休憩施設がみられません。
その代わり、インターチェンジの近くに道の駅が設置されていることが多いようです。
■高速道路なのに…無料区間が存在! それはどこ?
では、具体的にはどこに無料の区間があるのでしょうか。
例えば、かつては県庁所在市に高速道路がない、といわれた鳥取県。
現在は、関西圏とつながる鳥取自動車道が開通しており、鳥取インターチェンジから佐用平福インターチェンジ間は高速料金がすべて無料です。
ほかにも、北海道横断道や中部横断自動車道、四国横断自動車道などにも無料区間がありますが、現在では全国でこうした無料区間が増えています。
一方で、新直轄方式で建設されたわけではないのに、無料で通行できる区間もあります。
これについて、NEXCO東日本の担当者は「周辺の立地条件から、料金所を設置することが構造上困難で多額の費用を要すること等により、やむを得ず無料区間となっている箇所があります」と話します。
例えば、東京都江戸川区と千葉市中央区を結ぶ京葉道路が有名です。
ここの篠崎インターチェンジから市川インターチェンジの間には料金所がありません。
京葉道路は1960年代に整備が進んだ有料道路であり、周囲の急発展にともなって出入口を作ってきました。
しかし、この区間は、道路の構造上から料金所を作るのが難しかったり、料金所を作ると交通障害となってしまう可能性があったといいます。
また、料金所を設置すると、本線や一般道に渋滞を引き起こしてしまうことも無料区間である理由のひとつです。
つまり、意図して無料区間にしたわけではなく、やむを得ず料金所を設置しなかったために無料で通行できるのです。