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ガソリンスタンドで「給油出来ない」と断られる、なぜ? 「燃料入れたいのに…」 断られる意外な理由とは

くるまのニュース 2023年9月26日 14時10分

多くのガソリンスタンドで携行缶の販売が中止されたことによって、仕事やプライベートでガソリンを使用するユーザーから、不便になったとの声が多く挙げられています。これは、2019年に発生した京アニの放火事件が関係しています。

■京アニ事件がガソリンの携行缶販売中止に繋がった?

 近年、多くのガソリンスタンドでは、携行缶への給油を禁止されています。
 
 セルフの店舗では、ガソリンを携行缶に入れることは元から禁止されていましたが、有人ガソリンスタンドでも携行缶への給油を禁止するケースが多くなりましたが、なぜそのようなことになったのでしょうか。

 ガソリンは私たちの生活においては必要不可欠なものといえ、クルマを所有しているユーザーにとっては、直接ガソリンスタンドに行って給油するケースがほとんどです。

 しかし、走行中にガス欠を起こしてしまった際には、ガソリンを携行缶で購入したり、万が一の緊急時や災害時に備えて、ガソリンを携行缶で保管することは珍しくありません。

 数年前までは、有人ガソリンスタンドに行けば携行缶へすぐに給油してくれていましたが、近年では安全性や犯罪予防の観点から総務省消防庁は、携行缶の販売を規制するようになりました。

 そもそもガソリンは危険物として取り扱いには資格が求められることから、ガソリンを規定量以上保管する際には管轄する消防機関に届け出が必要です。

 現在、ガソリンの携行缶を購入するためには、ガソリンの容器詰替え販売における本人確認が必要となりました。

 このように携行缶へのガソリン給油が厳しくなった背景には、京都アニメーションの放火事件が大きく関係しています。

 京都アニメーションの放火事件では、ガソリンを撒いて火を付けていて、当時働いていた69人の社員が被害に遭い、36人が亡くなった悲惨な事件です。

 この時に使用されたガソリンの量は40リットルとされていますが、運搬するために携行缶を用いていたことがわかっています。

 このように、携行缶で簡単にガソリンを持ち運べるだけでなく、使い方によっては犯罪に使用される危険性があることから、京都アニメーションの放火事件が起きた後に、制度が大きく見直されたのが経緯です。

 ガソリンは可燃性が非常に高いにも関わらず、以前は携行缶に給油してもらえば誰でも簡単に持ち運びができました。

 そのため、京都アニメーションの放火事件のように40リットルものガソリンを購入し、放火のために使用する事件が発生してしまったともいえます。

■携行缶の販売について、ガソリンスタンド側の意見は?

 近年でも定められているルールに則っている場合は、携行缶への給油もできますが、以前よりも確認事項が多くなったことから、取り扱いを中止するガソリンスタンドは増えています。

 ガソリンを使用した事件が発生するのを防ぐ目的もあるのに加えて、ガソリンスタンドでは確認作業に時間や手間がかかるのも、理由のひとつとして挙げられます。

 このように、現在ではガソリンスタンドでの携行缶の販売は厳しく規制されるようになり、本人確認などの書類が必要です。

 さらに、多くの店舗では販売そのものを中止しています。

 都内の有人店舗のガソリンスタンドの担当者は、この事例について次のように話します。

「近年では携行缶でのガソリン販売を取りやめている店舗がほとんどだと思います。弊社でも現在は販売を行っておりません。

 弊社は、かつては携行缶の販売を行っておりましたが、現在では人員不足ということもあり、取り扱いをやめました。

 セルフのガソリンスタンドでは元来、販売が行われていませんでした。

 しかし、弊社のような有人の店舗でも、待機スタッフの減少や、用意する手間などを考えると販売を中止しているところは多いのではないでしょうか。

 都内では取り扱いが減ってきているのが事実ですが、地方や物流が行き届きにくいエリアでの携行缶の販売は、続けられているという話は聞いています」

最近のガソリンスタンドでは未自走&携行缶への給油は禁止されている

※ ※ ※

 このように、有人店舗であっても、ガソリンスタンドでの携行缶の販売は厳しい規制や、人手不足により、販売が取りやめられているケースが多いようです。

 携行缶を販売するときは、免許証のコピーを取る仕組みになっています。店舗によっては、一度個人情報が店舗側に登録されると、次回からは購入の際に提示が必要なくなるところもあるようです。

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