2023年9月14日、マツダはロータリーエンジンを発電専用に搭載する新型「MX-30 ロータリーEV」の先行予約の受付を開始しました。およそ11年ぶりに復活するロータリーエンジンに対し、多くのコメントが集まっています。
■「EVの欠点を補う理想形」だが「さらなる燃費の改善を」との声も…
マツダは2023年9月14日、モーター駆動を基本とするシリーズ式プラグインハイブリッドモデルで、ロータリーエンジンを発電専用に搭載する新型「MX-30 ロータリーEV」の予約受付を開始しました。発売は2023年11月の予定です。
ロータリーエンジン搭載のスポーツカー「RX-8」が2012年に生産を終了しており、およそ11年ぶりに復活する同社の独自技術に対し、多くの反響が寄せられています。
ロータリーエンジンは、マツダが1961年より開発に着手し、1967年に世界で初めて量産化に成功しました。
世界中の自動車メーカーが開発をあきらめるなか、マツダはロータリーエンジンの生産を続け、技術を磨き続けてきました。
そしてマツダでは、RX-8生産終了後も技術の灯を絶やさないという思いで研究・開発を続けたといい、今回のニューモデルにもその技術が生かされました。
新型MX-30 ロータリーEVのボディサイズは、全長4395mm×全幅1795mm×全高1595mm、ホイールベース2655mmで、同社のコンパクトSUV「CX-30」とほぼ同等なサイズ感となっています。
日本では2020年10月に直噴ガソリンエンジンに小型モーター・バッテリーを組み合わせたMX-30マイルドハイブリッドモデルを先行発売後、翌2021年1月にEVモデルを導入しました。
そして今回登場した新型MX-30 ロータリーEVはシリーズ3番目で、走行のすべてをモーターで駆動する「e-SKYACTIV R-EV」を特徴とします。
17.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EV(電気自動車)として107kmのEV走行距離が可能(WLTCモード・等価EVレンジ)です。
一方で、ロータリーエンジンを発電に用いるシリーズ式プラグインハイブリッド(PHEV)としても機能し、さらなるロングドライブを可能とします。
新型MX-30 ロータリーEVに搭載するロータリーエンジンは、RX-8に搭載されていた「13B RENESIS」型の654cc×2ロータータイプとは異なり、新たに開発した「8C-PH」型エンジンは排気量830ccの1ローター式で、最高出力53kWを発生します。
ロータリーエンジンの特徴であるコンパクトさを生かし、薄型・高出力のジェネレーター、最高出力125kWの高出力モーターを同軸上に一体化しフロントに搭載しています。
そんな新型MX-30 ロータリーEVの登場に、SNSなどには多くの反響の声が集まっています。
まずは11年ぶりに復活したことに対し「ともあれ復活したことを喜びたい」「ロータリーの可能性を広げる大きな挑戦!」「(航続距離が短い)EVの欠点を補う理想形だ」など、その登場を歓迎するコメントの数々がありました。
また「ロータリーとモーターのフィーリングがどのようなものになるのか興味がある」「振動はどうなんだろうか」「耐久性は改善されたのか」など、早くも実際に乗った印象などが気になるという声も目立ちます。
しかし一方で、ロータリーエンジンを搭載したスポーツモデルの復活を期待していたマツダファンからは「スポーツカーエンジンとしての復活はまだか」「ロータリーエンジンが駆動用でないと聞いてがっかり」など、厳しい意見も散見されます。
また、ハイブリッドモードでのカタログ燃費が15.4km/L(WLTCモード燃費)であることに対し「思った以上に良くない」「燃費の改善に期待」などといった声も。
このほか「発電用でも、せめて(スポーツカーの)ロードスター搭載で華々しく復活して欲しかった」といったファンのコメントも見られました。
ともあれ、11年ぶりのロータリーエンジン復活劇に対し興味を持った人は極めて多く、新型MX-30 ロータリーEVの関心度の高さがうかがえるところです。