トンネル火災の影響で山陽道下りの一部区間の通行止めが長期化しています。NEXCO西日本は中国道への迂回促進策として、新たにポイントとクーポンの付与を始めます。
■中国道を経由するとポイント付与
山陽道下り(岡山方面)の一部区間でトンネル火災による通行止めが続いていることから、NEXCO西日本は2023年9月27日、中国道への広域迂回をさらに促すため、ポイントとクーポンを使った施策を新たに始めると発表しました。
火災は9月5日深夜1時頃、山陽道下りの尼子山トンネル(延長592m)で、走っていたトラックが出火し、追突事故も発生。さらに乗り捨てられた車両に火が燃え広がり、消火まで約40時間を要しました。
火災によってトンネル内はコンクリート表面の剥離や照明の焼損といった甚大な被害が確認されており、NEXCO西日本は通行止め解除まで「相当な期間を要する」としています。
このため山陽道は下りの播磨JCT→赤穂IC間で通行止めが続いていますが、この区間を結ぶ国道2号は、交通量が通常時に比べ2倍以上に増えており、混雑しています。
NEXCO西日本は国道の混雑回避のため、関西から中国・九州方面へ向かう際は、できるだけ中国道を利用するよう呼び掛けています。
なお、大阪・神戸方面から中国・九州方面へ走るときに中国道を経由した場合も、通行料金は山陽道を利用した場合と同じです。
そして今回、中国道への迂回促進策として新たに始めるのがクーポンの付与です。
9月28日からスマートフォン用アプリ「みちトクう回クーポン」の更新・配信を開始。
神戸JCT以東や吉川JCT以北、山陽道の神戸JCT~播磨JCT間(神戸西IC含む)、中国道の神戸三田IC、播磨道の播磨新宮ICを出発し、中国道を経由して、岡山道や岡山JCTまたは広島北JCTより先のICまで走ると、アプリ内にポイントがたまります(対象は下り方向のみ)。
1回の迂回走行で500円分のポイントがたまり、たまったポイントは名神・中国道・山陽道などの対象SA・PAで買い物時の割引クーポンとして使えます。
また、2つ目の施策として、レシート電子クーポンの発行も実施します。
関西地区の対象SA・PAで買い物した人にQRコード付きのレシートを発行。客はQRコードを読み込むと、200円分の割引電子クーポンを獲得できます。
クーポンは、中国道など迂回ルートにあるSA・PAで、税込1000円以上買い物したときに使えます。
NEXCO西日本は、中国道へ迂回すると、普通車の場合、ガソリン代が余計に570円程度かかると試算しています(燃費18.9km/L、レギュラー182.0円/L、西宮北IC→倉敷IC間で計算)。
これを踏まえ、「迂回の際には、ガソリン等燃料費のご負担もあろうかと思います。ぜひこのクーポンをご利用ください」としています。