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「えっ…!」まさかのクルマ「盗難」!? 防ぐにはどうする? 実は色々ある「対策」とは

くるまのニュース 2023年10月8日 19時10分

残念ながら、高価なモデルを中心に車両盗難の被害が完全になくなることはありません。どのような盗難対策をしておけば良いのでしょうか。

■犯罪件数は減らないが盗難対策も年々進んでいる

 近年、車両盗難の件数は減少傾向しつつあったものの、再び増加傾向に転じており、相変わらず車両盗難が無くなる様子はありません。
 
 そのような被害にあわないためには、どのような盗難対策があるのでしょうか。その方法について紹介します。

 車両盗難の被害に対し、もちろん自動車メーカーでも放置しているわけではなく、様々な対策をしています。

 しかしそれを上回る盗難方法が登場し、イタチごっこになっている現状があります。

 エンジンを停止した状態でステアリングを強く回すとステアリングが回らなくなるのは「ステアリングロック(ハンドルロック)」という盗難防止機能が作動している証拠です。

 車両を盗難しようとした際に、ステアリングロックが作動してステアリングが回らないと、自走で移動することができないため、一定の効果があります。

 ただステアリングロックは、エンジンがオンのポジションになっていると解除されるようになっているので、不正な方法でエンジンをかける盗難方法の場合には、ステアリングロックも解除されてしまいます。

 ちなみに、最新のトヨタ「ノア」や「プリウス」、「クラウンクロスオーバー」などのエレクトロシフトマチックが採用されているモデルについては、そもそもシフトレバーとトランスミッションが機械的につながっていません。

 そのため、キーがある状態で「READY ON(ガソリン車の場合はエンジン始動)」にしないと、シフトをPレンジから動かすことができないことから、ハンドルロック機能が省かれています。

 つまり今後は、ハンドルロックが無いモデルが主流となる可能性が高いのです。

 正規のキー以外での車両へのアクセスを防止するために、自動車メーカーはイモビライザーという機能を搭載し、正規のキーに内蔵された通信機能と車両が連携し、正規のキー以外ではエンジンがかからないようにするクルマが増えています。

 またイモビライザーに加え、特に盗難件数の多いトヨタ「ランドクルーザー」の場合、最新モデルでは車両に登録された指紋情報とエンジンスイッチ上の指紋センサーに触れた指で指紋認証を行い、認証に成功しないとエンジンを始動することができない指紋認証システム搭載するモデルも加わり、自動車メーカーの盗難対策は日々強化されています。

 ところが「イモビカッター」と称する、特殊なコネクターなどを利用し車両側のIDをリセットするなどして、イモビライザーの機能を回避する手口や、正規のキーの電波を中継して、正規のキーが近くになくても不正にドアロック解除やエンジンをかけ、盗難する「リレーアタック」と呼ばれる方法などが次々に登場している現状があります。

 加えて、車両の配線に機器を接続し直接車両のコンピューターにアクセスし、ドアロック解除やエンジンをかける「CANインベーダー」といわれる方法も登場するなど、車両標準のセキュリティ機能では対処が難しくなってきているケースもあります。

■自動車メーカーの対策に加えアフターパーツのセキュリティアイテムも

 最近のクルマは「つながるクルマ」などといわれる「コネクティッドカー」となったことから、車両に通信SIMが搭載されているクルマも普及し始めています。

 つまり車両の位置を、スマホなどで確認することができるようになってきているのです。

 そのため、万が一盗難された場合でも、車両の位置を確認することができるといえます。

 しかし窃盗犯もそれを意識してか、コンテナに車両を入れ追跡から逃れる方法などもとられ、こちらも万全とはいえない状況です。

このような物理的なロックでも一定の犯罪防止効果はあります[画像はイメージです]

 このように、自動車メーカーが車両に装備するセキュリティ機能だけでは、高度化する盗難手段には対抗できなくなってきている背景から、ディーラーオプションやアフターパーツとして、よりセキュリティ性を高めるアイテムが用意されています。

 物理的に盗難を防止するアイテムとしては、ステアリングに装着する棒状のハンドルロックやブレーキを固定するブレーキロック、シフトノブのゲートに装着するロック、シートベルトのバックルとステアリングを固定するロック、ブレーキペダルロック、ホイールに装着するホイールロックなどがあります。

 いずれのタイプも盗難を面倒にすることで敬遠させ、盗難を抑止する効果があります。

 しかし電動工具などでロックを破壊し盗難する例も発生し、万全とはいえません。

 また、サイレンや光で盗難を防止するタイプもあります。

 車両の配線に接続し、不正な操作を検知するとエンジンがかけられなくなる機能が作動するタイプや、サイレンや光で警告を発する本格的なタイプもあります。

 一方で、振動などを感知し、盗難防止装置がついているかのように光で警告し、ダッシュボードに置くだけで簡単に設置できるダミーセキュリティタイプまであります。

 セキュリティ機能は年々高まってきていますが、残念ながら盗難方法も研究されており、すぐに新しい盗難方法が出てきてしまうのも現状です。

 セキュリティ対策はした方が良いに越したことはありませんが、余計な出費やロック作業の面倒さなどもあり、すべてのドライバーにオススメはしません。

 それは、どのようなクルマでも盗まれるわけではなく、盗まれるクルマは限られているからです。

 主に盗まれるクルマとして名前が挙がるのは、トヨタ「ランドクルーザー」、「アルファード」など海外で人気のモデルや、高価格帯のモデル、希少なスポーツカーなどです。

 また「プリウス」など、中古部品の需要が高いモデルも盗難される件数が多いので注意が必要です。

レクサスの最新SUV「LX600」のスマートキーには「指紋認証」機能も備わっています

 日本損害保険協会が発表した盗難件数の多いクルマトップ10としては、前出のトヨタ「ランドクルーザー」「プリウス」「アルファード」のほか、レクサス「LX」「RX」、トヨタ「ハイエース」「クラウン」「アクア」「C-HR」、そしてレクサス「ES」となっています。

 逆に不人気な旧モデルなどは盗難されるリスクは低いため、ドアロックをしっかりするといった基本的な対応で充分な場合がほとんどです。過剰な盗難対策は不要ともいえます。

※ ※ ※

 もし万が一クルマ盗まれてしまった場合でも、車両保険に加入していれば、代替え車両を購入に充当できる保険金が支払われます。

 盗難防止は心がけたいですが、盗難される可能性が高い車両を保有している場合には、特に充分な保険金が支払われる車両保険に加入しておくと安心でしょう。

 なお車両保険に加入していても、車両盗難を含まないプランや、盗難された際に窓が開けっぱなしだったり、キーがつけっぱなしだったりした場合など、ユーザーに過失がある場合は保険金が支払われない場合もあるので、十分に注意が必要です。

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