近年のクルマには、搭乗者がシートベルトをしていない場合に警告音を鳴らして知らせてくれる機能「シートベルトリマインダー」が搭載されています。この機能は一体どのような仕組みでシートベルトの着脱を感知していて、どれくらいの重さから反応するのでしょうか。
■気になる安全機能の「仕組み」とは
近年のクルマには様々な安全機能が装備されていますが、その中のひとつとして「シートベルトリマインダー」が存在します。
これは、搭乗者がシートベルトを着用していない場合に警告音を鳴らして知らせてくれる機能なのですが、一体どのような仕組みでシートベルトの着脱を感知しているのでしょうか。
シートベルトリマインダーの構造を調べると、まずシートベルトのバックル(金具の受け側)に「シートベルトの着脱を感知するセンサー」が組み込まれています。
そしてバックルにシートベルトのプレート(金具)を差し込むことでこのセンサーが反応し、シートベルトが正しく着用されているのかを確認できるという仕組みです。
一方、乗員が座るシートにも仕掛けがあります。
座面には「重さを感知するセンサー」が組み込まれており、このセンサー反応することで、座席に人が座っているかどうかがクルマに認識されます。
そしてシートベルトと座席の2つのセンサーを組み合わせることで、「座席に座っている人がシートベルトを着用しているのか」を確認していて、シートベルトを着用していない場合は警告灯が点灯するとともに、そのまま発進すると警告音を発するのです。
ちなみに、少し前のクルマは前席のみにシートベルトリマインダーが装着されていましたが、2020年9月以降は後部座席にも搭載されるように義務付けられています。
■シートベルトリマインダーは「何キロ」の重さから反応する?
このように安全性を高める便利なシートベルトリマインダーですが、では何キロの重さから反応するのでしょうか。
この疑問についてディーラーの販売員に聞いてみたところ、シートベルトリマインダーが感知する重量は自動車メーカーや車種によって異なるため、具体的に何キロで作動するのかについては公開されていないということでした。
また、座面に対する荷重のかかり具合でも作動する・しないかが変化するので、人ではなく重い荷物をシートに載せたときでもセンサーが反応する場合もあるそうです。
実際にクルマを用意し、助手席で警告灯が点灯するのかを試したところ、体重70キロの筆者(大西トタン)が乗ると当然ながら作動するものの、2リットルのペットボトル6本入りのダンボール(合計12キロ)では警告音は鳴りませんでした。
先述の販売員の説明のように車種にも左右されますが、よほど重い荷物でないかぎりセンサーが誤って荷物に反応することはなさそうです。
いっぽうで、別のモデルでは約5キロある大型のリュックサックでシートベルトリマインダーが作動した場合もあり、軽い荷物でも置き方や大きなサイズのものであればセンサーが感知することもあるようです。
いずれの場合においても、ふいに運転中に警告音が鳴って驚くと危険ですので、一度自分のクルマのシートベルトリマインダーが「どれくらいの重さで鳴るのか」を試してみるのも面白いかもしれません。
また、「荷物を載せただけなのにすぐ警告音が鳴る」という人は、荷物を載せた状態でシートベルトを締めるか、重い物を座席の上に置かず床に置くなどで対策すると良いでしょう。