クルマ好きの間で時々語られる“噂”のひとつに、クルマを「離島」や「沖縄県」で所有する場合、他の地域よりも維持費が安くなるという話がありますが、これは本当なのでしょうか。
■地域によって保険料に「1万円以上」の差が!
クルマを「離島」や「沖縄県」で所有する場合、他の地域よりも維持費が安くなるという“噂”を聞いたことは無いでしょうか。
それは一体どういった理屈で、金額にしてどれほどの違いがあるのか紹介します。
クルマは、購入時や車検時などに「自賠責保険」に加入・更新する必要があります。
これは万が一のときの対人賠償を確保することを目的とした強制保険なのですが、実はこの金額、クルマを使用する地域ごとに保険料が異なっているのです。
自賠責保険の金額は、「離島以外の地域」「沖縄県以外の離島地域」「沖縄県」「沖縄県の離島地域」の4つのエリアで異なり、まず「離島以外の地域」は、北海道、本州、四国、九州が対象のエリアに該当します。
また、本土から橋でつながっているなど、車両移動が可能な島も「離島以外の地域」に分類されます。
「離島以外の地域」の自賠責保険料は4つのエリアで最も高く、25カ月あたりの普通自動車の自賠責保険料は1万8160円と、“約2万円”にも上ります。(2023年9月14日時点)
次に金額が高いのは「沖縄県」で、普通自動車の自賠責保険料は1万150円。これは先述した本州など「離島以外の地域」と比べると約8000円も安くなります。
「沖縄県以外の離島地域」「沖縄県の離島地域」になるとさらに金額は下がり、どちらも普通自動車の自賠責保険料は7760円。「離島以外の地域」と1万円以上もの差が開き、大幅に保険料が抑えられていることが分かります。
また、軽自動車の場合は「離島以外の地域」で25カ月あたり1万8040円、「沖縄県」で1万150円、「沖縄県以外の離島地域」で7300円、「沖縄県の離島地域」で6140円という順で安くなっていきます。
このように、軽自動車の場合も「離島以外の地域」と離島地域では、1万円以上の差があるのです。
■エリアごとに保険料が異なる理由とは?
なぜ沖縄や離島地域だと、自賠責の保険料が安くなるのでしょうか。
理由のひとつとして挙げられているのが、「狭いエリア内での運転に限られているため事故の発生率が低い」ということです。
つまり保険会社としては、事故自体が発生しにくいため保険金額を支払うリスクも低く、それゆえ保険料も安くできるという理屈です。
また、離島地域は生活の手段として「自動車への依存度」が高いため、優遇措置のひとつとして自賠責の保険料が本土よりも安くなっている、ともいわれています。
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このように、「離島以外の地域」とそれ以外の地域では大きな差がある自賠責の保険料ですが、先述したようにクルマが必須となる厳しい環境も珍しく無いため、一概に「羨ましい!」とは言えない事情があるようです。