一般的な白熱電球のルームランプは夜間の車内では少々暗すぎることから、LEDに交換する人も多いようです。ルームランプをLED化すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
■ルームランプの「LED化」メリット・デメリットは?
昨今のクルマはヘッドライトやテールランプといった外装だけにとどまらず、車内の灯火類までLED化が進んでいます。
ルーフのセンターにあるルームランプや、運転席と助手席の間の頭上にあるマップランプ、足元を照らすフットランプなど、あらゆる室内灯がLEDになっているクルマも少なくありません。
その一方で、従来の白熱電球を使った室内灯のクルマのオーナーの間では、電球からLEDに換装するカスタマイズが定番になっています。室内の各ランプをLED化すると、一体どんなメリットがあるのでしょうか。
最初に挙げられるのが「明るい」ことです。ボンヤリとした明るさの白熱電球に比べ、LEDはむしろ明るすぎると感じることもあるほどで、なかには「爆光」をセールスポイントにしている製品もあります。
2つ目は「省エネ節電効果」。LEDは従来の照明より電力消費量が少なく、白熱電球の約20%、蛍光灯の約30%とされています。
消費電力が増えるとバッテリーへの負担が大きくなり、発電量を上回ればバッテリー上がりに繋がりかねません。微々たる節電ではありますが、チリも積もればと考えるべきでしょう。
最後が「長寿命」なこと。LEDの光源寿命は4万時間前後とされ、1000時間~2000時間の白熱電球より20倍以上も長持ちします。電気を熱エネルギーに変換して光を生み出す白熱電球は高温になり劣化してしまいますが、電気で発光する半導体を用いたLEDは発熱しづらいため寿命が長いのです。
逆にデメリットはというと、「暗く感じることがある」というもの。メリットである「明るい」と逆のことなので不思議に思われるかもしれませんが、LEDは指向性が強いため光が広がりにくく、直下照度は明るいのですが、その反面、照射範囲から外れると暗い印象を受けることがあるのです。
もっとも、現在は幅広く光が届くようにLEDチップの数や配置、あるいはレンズなどに工夫が凝らされた製品が多いため、暗いと感じることはあまりないかもしれません。
もうひとつのデメリットは価格が高いこと。といっても、現在はLEDの価格が大幅に下がっているため、白熱電球+α程度の価格から購入することができます。寿命が長いことを考えたら、むしろ白熱電球よりコストパフォーマンスに優れているといえそうです。
メリットがデメリットを大きく上回るのですから、マップランプやルームランプが白熱電球ならLEDに交換するほうが得だといえます。
室内灯用のLEDは大別すると2種類、「バルブタイプ」と「基盤タイプ」があります。バルブタイプは白熱電球とほぼ同じ形状(ちょっと大きかったり、はみ出ているものも)で、交換は元の電球を抜いて差し替えるだけ。このタイプのメリットは、簡単に交換できることです。
ただし、LEDには極性がありプラス・マイナスが逆向きだと点灯しないので、装着する方向にだけ注意が必要です。
一方の基盤タイプは、基盤に複数のLEDチップが配されているもの。基盤に接続された配線の先端に端子があり、それを元の電球を抜いたところに差し込み電源を取り出します。メリットは数多くのLEDチップを載せることができるため、明るさや配光の自由度が高いことでしょう。
なお、基盤タイプには汎用品と車種ごとの専用品があり、後者は専用だけあってランプハウジングにジャストフィットするのが魅力です。
そして、LED化するにあたって最初に確認しなければならないのが、元の白熱電球が装着されていたソケットの形状やサイズです。バルブタイプにせよ基盤タイプにせよ、ソケットに合った口金を持つ製品を選ぶ必要があります。
室内灯で主に使われているソケットの形状(カッコ内はサイズ)には「ウェッジ(W2.1×9.5d)」と「両口金(S8.5/8.5)」、「差込形(BA9s)」の3つがあります。ガラス形状は、ウェッジは「T10」で両口金は「T10×31」、差込型は「G14」となり、LEDの製品を購入する際はだいたいこのガラス形状の表記を頼りに選びます。
※ ※ ※
LEDは白い光のイメージが強いですが、昼光色や昼白色、温白色、電球色などさまざまな光の色を出せるのが特徴でもあります。
また道交法では室内灯に関する直接的な文言はありませんが、室内灯も後続車から見えれば「後方を照射するランプ」という扱いとなり、「赤」や「オレンジ」はNGになります。
ほかにも、フロントガラス付近に青や紫の灯火を備えてはならないという記載もあるので、マップランプなども該当する可能性があります。
どこからどこまでがアウトになるのか線引きは難しいところですが、赤、オレンジ、青、紫のLEDの使用は避けたほうが無難でしょう。