マツダは「ロードスター/ロードスターRF」の大幅改良を発表しました。安全性・走行性能の向上や、内外装デザインなどが変更されます。
■ND型史上もっとも大きな改良を実施!
マツダは2023年10月5日、小型オープンスポーツカー「ロードスター(ソフトトップ)/ロードスターRF(ハードトップ)」の大幅改良モデルを発表し、予約を開始しました。
ロードスターは1989年に初代がデビューして以来、4世代にわたって世界で愛されているオープンカーです。2人乗り小型オープンスポーツカーとしては異例の120万台以上を生産し、クルマを楽しむ文化の発展のために継続して進化してきました。
現行モデルは2015年に登場した4代目(ND型)。歴代モデルのなかでも、初代に続いて2番目に販売台数が多いモデルとなっています。
一方、近年自動車を取り巻く環境は大きく変化し、より安全で環境に優しいクルマ作りが求められており、新たな安全法規への適合が求められるなかで、ロードスターを生産販売し続けるには大幅な改良が必要となったとマツダはいいます。
そして今回、ND型が登場して以来、最大の商品改良がおこなわれ、現代に求められる新たな安全法規に適合しながら、ロードスターらしさを追求。「人馬一体」の走りの楽しさをさらに高めています。
安全面では、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」をロードスターに初採用。設定した速度での定速走行や、車間距離を一定に保って走行するための運転支援機能が設定されました。また、スマート・ブレーキ・サポート(後退時検知機能・SBS-RC)も搭載され、安全性が向上しています。
デザイン面においては、「モア・ロードスター(More Roadster)」というスローガンで開発に取り組んだといいます。
外観のデザインでは、前後のランプ類の意匠を変更。ヘッドランプは、デイライトを内蔵した新デザインとなり、このデイライトランプがポジションランプとサイドターンランプも兼ねています。
リアコンビランプは歴代ロードスターに共通して採用されている「円形+楕円」のモチーフをより鮮明に表現。ヘッドランプ、リアコンビランプ、ターンランプなどを含め、すべてのランプがLED化されました。
さらに、ホイールのデザインも変更。従来は16インチと17インチで同じデザインでしたが、新型ロードスターでは小径の16インチは軽さを重視したパフォーマンスを感じさせるデザイン、大径の17インチは切削ホイールを採用して華やかで大きく見えるデザインとし、グレードごとのキャラクターを考慮して装着されます。
ボディカラーには、新色の「エアログレーメタリック」を追加。従来モデルから引き継いだ6色から選択することが可能です。なお、「プラチナクォーツ」は新型モデルでは廃盤になりました。
内装では、メーターの文字盤を漆黒にしながら、フラットでハイコントラストなグラフィックやシャープな針に置き換えることで視認性を向上させています。また、向かって左側のシリンダーはデジタル表示に変更しており、美しいグラフィックと優れた視認性でドライビングをサポートしています。
ナビモニターは、従来モデルの縦長7インチから、新型モデルは8.8インチに大型化。前方の視界確保を確保しつつ、エアバッグ作動時の干渉を避けるため、画面の縁部分をできるだけ狭くしたフレームレス構造を採用しました。
また、ソフト面でも新世代マツダコネクトにアップデートされ、利便性が大幅に向上しています。
さらにルームミラーもフレームレスとなり、従来モデルよりもすっきりとした見た目と視認性を実現。エマージェンシーコールシステムも追加され、緊急時にオペレーターと通話ができるようになりました。
加えて、センターコンソールはクッション入りの表皮巻きとすることで、ひざやひじなどの当たりが良くなり、運転時の快適性が向上しています。ステッチも入れられて質感も向上しました(一部グレードに装備)。
■より「人馬一体」を感じられるダイナミクス性能に進化
新型ロードスター/ロードスターRFではダイナミクス性能も進化し、「人馬一体」の走行性能にさらに磨きをかけました。
加速・減速時のデファレンシャルギヤの差動制限力を変化させることでクルマの旋回挙動を安定させる新開発の「アシンメトリックLSD」を搭載(ロードスター「S」を除くMT車のみ)。
加速・減速時のデファレンシャルギヤの差動制限力を変化させることで、リアタイヤの接地荷重変化に対してクルマの旋回挙動を安定させ、街中ではさらに軽やかに、ワインディングでは旋回時の安定性が格段に向上しています。
また、ステアリングシステムにも改良を加え、より軽やかで正確なステアリングフィールを実現しました。
エンジンは、1.5リッターエンジンに国内ハイオクガソリンに合わせた専用セッティングを施すことで出力が3kw向上。さらにロードスターRFの2リッターも含めて、駆動力制御に最新のロジックを導入し、アクセルを踏み込んで加速するシーンだけではなく、アクセルを緩めて減速するシーンにおいても応答レスポンスを改善しました。
そして、より安全にスポーツ走行を楽しむために、サーキット走行に最適化したダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)の新制御モード「DSC TRACK」がMT車に追加されます。
DSC トラックではドライバーの運転操作を最大限に尊重し、横滑り防止の制御介入のしきい値を通常よりも深く設定しており、素早いスピン挙動に陥った場合に限って、ドライバーのカウンターステア操作に応じて制御が介入することで、コースアウトやクラッシュのリスクを低減します。
あくまでクラッシュのリスクを下げるための制御であり、ドライバーのスキルアップを邪魔するものではないといったところがポイントになるとマツダは説明します。
また、新たなグレードとして、「ロードスター S レザーパッケージ Vセレクション」を設定。クラシックかつ上品な装いで、ゆったりとドライブを楽しむことを狙いとし、新たにスポーツタン内装とベージュ幌が装着されました。
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価格(消費税込)は、新型ロードスターが289万8500円から367万9500円、ロードスターRFが379万6100円から430万8700円です。
発売は2024年1月中旬を予定しています。