近年ではスタートボタンが搭載されている車種が増えましたが、スタートボタンは何秒おせばいいのでしょうか。また、押し続けると故障してしまうリスクはあるのでしょうか。
■クルマのスタートボタンって何秒くらい押すのが良いの?
かつてクルマの始動方法といえば、鍵を挿して回すという行為が必要でした。しかし最近ではほとんどのクルマでスマートキーが採用されたことで、ボタンを押すだけで始動するようになっています。
ではそのボタンを押し続けるとどうなるのでしょうか。また正しい押し方はあるのでしょうか。
ひと昔前まではキーを差し込んで捻ってエンジンをかけていましたが、近年の多くの車両で採用されているスタートボタンではブレーキを踏みながら押すことでエンジン(システムスタート)となります。
具体的な位置については統一されていないため、ハンドルの右側、左側またはセンターコンソールにある場合など様々です。
スマートキーはメーカーによって呼び方が異なっている点が挙げられますが、基本的な構造についてはどこのメーカーでも変わりません。
スマートキーの呼び方は例えばトヨタでは「スマートエントリー&スタートシステム」、マツダは「アドバンストキーレスエントリー&スタートシステム」・メルセデス・ベンツでは「キーレスゴー&ハンズフリーアクセス」とさまざまです。
それでは、これらのシステムは安全にエンジンをかけるために具体的に何秒くらい押せばいいのでしょうか。
トヨタでは「システムとしては1プッシュすると自動的にエンジンがかかります。そのため、エンジンボタンを押して、『1.2』と数えていただいたらボタンを離しても大丈夫です」と説明します。
マツダでは、「押し時間に正解はなく、1プッシュで自動的にエンジンがかかるようになっておりますので、ボタンを押し続ける必要がありません。 また、エンジンが始動すればスターターは自動で停止するため、素早くリリースしていただく必要もありません」と話してます。
また 一方でホンダは「ブレーキペダルを踏んだ状態で、スタートボタンを押すとハイブリッド/ガソリンモデルともにすぐに始動するようになっています」と言います。
このようにどのメーカーでも基本的には「1プッシュ」とエンジンやシステムが始動するようになっているようです。
なおスタートボタンは、ほとんどのメーカーでAT車ならブレーキペダル、MT車ならクラッチペダルを踏まなければ始動しません。
また、ペダルを踏まずにスタートボタンを押した場合には1プッシュで「アクセサリー ON」、2プッシュで「イグニッションON」となることが多いです。
アクセサリーONの場合にはナビやオーディオの電源が入ります。イグニッションONではエアコンなどが始動するといった違いがあります。
■スタートボタンをずっと押すと故障することってあるの?
前述ではエンジンならびシステムの始動には1プッシュするだけでいいとありましたが、ある程度の時間押し続けるとクルマが故障する可能性はあるのでしょうか。
前出のマツダは「始動時にスタートボタンを押し続けても車両には影響なく、故障やトラブルに繋がることはありません。エンジン車の場合始動すればスターターは自動で停止するためです」と話しています。
ホンダも同様に「始動後もスタートボタンを押下し続けたとしても、とくに不具合は発生しません」と言います。
エンジン車の場合、1度エンジンが始動してしまえば、セルを駆動する回路がオフになるため、セルが回り続けることはないようです。
では、走行中に誤ってスタートボタンに触れてしまった場合にはどうなるのでしょうか。前出のマツダはボタン操作について以下のように話しています。
「走行中においては誤操作によるリスクを考え、スタートボタンを普通に押してもエンジンが切れることはありません。
しかし、該当ボタンを一定時間以上押し続けた場合には『緊急停止モード』としてイグニッション電源が遮断され、エンジンが停止することがあります。
これは万が一の緊急時のための機能であるため、通常はそのような操作は控えていただくようお願いします」
この緊急停止モードは、自動車メーカーによって作動有無や条件が異なるようですが、走行中のボタン操作は控えたほうが良いと言えます。
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なおエンジン&システムの始動にはスマートキーを身に着けていないと作動しません。
スマートキーは電池式ですが残量が弱くなるとドアの開閉反応が悪くなることや、開閉出来ないこともあります。そのような場合にエンジン&システムを始動したい場合はスマートキーをボタンに触れさせることで微弱な電波を拾い作動させることが出来ます。
その後、早い段階でスマートキーの電池を交換するようにしてください。