2023年10月に「東京モーターショー」改め、「ジャパンモビリティショー」が開催されます。過去のモーターショーではさまざまなコンセプトカーが話題を集めましたが、そのなかでもトヨタ「S-FR」とはどのようなモデルだったのでしょうか。
■5ナンバーサイズのFRスポーツカーコンセプトとは?
新型コロナウイルスの影響で、2019年を最後に開催を見合わせていた「東京モーターショー」ですが、今回4年ぶりの開催が決定し、名称を「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」に変更し、新たなイベントとして実施されます。
過去の東京モーターショーでは先進的なコンセプトカーが数多く出展。なかでも「東京モーターショー2015」にトヨタが展示した「S-FR」というコンセプトカーに注目があつまりました。
S-FRは、トヨタのライトウェイトスポーツの系譜を継承する小型スポーツカーで、「150万円で買えるFRスポーツ」というコンセプトもとに開発。ドライバーの意図に忠実にクルマが反応し、走る楽しさを追求したモデルとして世界初公開されました。
全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mmと、全長4m弱のコンパクトボディですが、4人が乗車することが可能。
外観は、ワイドスタンスかつロングノーズのスポーツカーらしさを追求しつつ、丸みを帯びた親しみやすいスタイリングを実現しました。
シンプルかつモダンな内装は、ブラックを基調にイエローのステッチやアクセントカラーを配置。「親しみやすいシンプルさ」と「走りへの予感」を感じさせるデザインが特徴です。
S-FRは、エンジンをフロントミッドシップに搭載した本格FRレイアウトを採用。搭載されるエンジンは公表されていませんが、最適な重量配分と独立懸架のサスペンションによって優れたコーナリング性能を実現したとされています。
5ナンバーサイズのコンパクトなボディは軽量化も実現。6速MTで意のままの操作感と軽快な走りを楽しむことができるといいます。
そののちに開催された「東京オートサロン2016」では、レース仕様の「S-FR レーシングコンセプト」も初公開されました。
大きく張り出したオーバーフェンダーや大胆なエアアウトレットを備えたエンジンフードに加え、フロントアンダースポイラーやカナード、リアスポイラーといったエアロパーツはカーボン製とし、サーキットで高いパフォーマンスを発揮するデザインを追求しています。
ボディサイズは全長4100mm×全幅1735mm×全高1270mmとベース車より全長・全幅を拡大。全高はより低くすることでワイド&ローの低重心スタイルを実現しました。
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標準仕様に加えてカスタマイズ仕様も発表されたS-FRは、市販化が大いに期待されたものの、2023年現在も発売されていません。
開発が白紙になったともいわれており、完成度が高かっただけに、クルマ好きからは残念がる声もあがっています。
間もなく開催されるジャパンモビリティショー2023では、S-FRのようなコンパクトで走りの楽しさを追求したスポーティなモデルが登場するか、注目が集まります。