マツダ「ロードスター」が大幅な商品改良を受けました。内外装や走りの変更など、どのようなモデルへと進化したのでしょうか。
■NDロードスター史上、最も大きく進化!
マツダは、2シーターオープンカー「ロードスター」の大幅商品改良モデルを2023年10月5日に発表しました。
4代目ロードスター(ND型)としては最も大きな商品改良とマツダも説明しており、注目するべきトピックスの多い改良となっています。
内外装、走行性能など、ロードスターはどのように進化したのでしょうか。
まずは見た目に関しては、外観は新たなデイタイムランニングライトが採用され、目元の印象を変更。テールランプも立体的な造形へと変わり、ランプ類は全てLED化されています。
印象が大きく変わる部分としてはホイールデザインが変更されていることが挙げられます。
16インチホイールはこれまでよりもよりスポークがリム部まで伸びているようなデザインに、ハードトップの「ロードスターRF」に装着される17インチホイールは8本ダブルスポークのデザインとなり、そのうえで「RS」はブラックメタリック塗装、「VS/S」はさらに切削加工が施されています。
加えて、ボディカラーに「エアログレーメタリック」が新たに追加されました(プラチナクォーツは廃止)。
内装の大きなポイントは「マツダコネクト」の進化です。センターディスプレイは8.8インチへと大型化。また、上級グレードではセンターコンソールがクッション入りの表皮巻きのステッチ入りとなり、インテリアの質感がアップしました。
また今回の改良では、新たに追加されたグレードがあります。それは「S レザーパッケージ Vセレクション」です。
同グレードは、スポーツタンカラーの内装とベージュのソフトトップが採用されており、初代ロードスター(ユーノスロードスター・NA型)の「Vスペシャル」を思わせる仕様となっています。
そして、運転支援システムも進化しました。エントリーグレードの「S」と競技ベースグレード「NR-A」を除くグレードに「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」を設定。
前走車との車間を一定に保って運転支援をしてくれるため、長距離移動がより快適になったことに加え、後進時左右接近物検知機能であるスマート・ブレーキ・サポートが新たに装着されました。
そして、マツダが「最も大きな商品改良」と発表するだけあって、走りの部分も注目トピックスが多くあります。
まずは、以前からウワサされていた「DSC-TRACK」をMT車に搭載。
これは、サーキット走行に適した新制御となっていて、スピン挙動に入った場合に限って制御が介入するアイテムです。車両を傷つけるリスクを減らしつつ、ドライビングに対して真摯に向き合うことが可能となっています。
そして最大の注目メカニズムが「アシンメトリックLSD」の装着です。
「リアタイヤの接地荷重変化に対してクルマの旋回挙動を安定させる」という新たなコンセプトのこのLSDは、減速時と加速時で異なるカム角を設定して加速・減速時のデファレンシャルギヤの差動制限力を変化。減速側と加速側それぞれに最適な作動制限力を実現させました。
特に減速側の作動制限力を高めており、これにより、FR車が不安定になりやすいターイン時の安定性を向上させました。
極端な表現かとは思いますが、アクセルオフでも作動する機械式LSDの2ウェイに近いフィーリングをターイン時には実現しているものと思われます。
また、ロードスターに最適化したイニシャルトルクと差動制限特性のチューニングが施されており、これまで以上にリニアな旋回特性を実現するようです。
そのほかにも電動パワステの制御ロジックをより緻密にし、ステアリングラックの摩擦を低減することで、より一体感の高いステアリングフィールを実現。また、エンジンパフォーマンスも向上しており、ソフトトップに搭載される1.5リッターエンジンは3kW(4.1PS)の出力向上を果たしています。
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見た目も装備も、そして走りも大幅に進化したロードスターは2024年1月中旬からの発売を予定しているとのこと。
新型ロードスターがどんな「人馬一体感」を提供してくれるのか、今からその走りが楽しみです。