佐賀県唐津市で建設が進められてきた国道204号唐房バイパスが、2023年11月に開通します。旧国鉄の未成線を活用しつつ整備されました。
■旧呼子線がバイパス道路に
佐賀県は2023年10月6日、唐津市内で建設中の国道204号唐房(とうぼう)バイパスが、11月12日に開通すると発表しました。山口祥義知事が同日の定例会見で明らかにしました。
国道204号は、唐津市から伊万里市、長崎県松浦市・平戸市などを経由して佐世保市に至る道路です。海沿いを走るため、大きく蛇行しています。
このうち唐房バイパスは、唐津市内の佐志浜町から鳩川までの2.0kmを、現道に並行しながら南北に結びます。
現道は、特殊なH字の形をした唐房入口交差点が渋滞ポイントになっていたり、住宅が密集する唐房地区の道幅が狭かったりといった課題があります。
バイパスは、こういった現道の区間を山側のトンネルや橋などで迂回します。
なお、バイパスの一部区間は、トンネルや線路の路盤が準備されつつも国鉄の経営悪化により1982年に工事中止となった旧呼子線の予定地が活用されました。
今回開通するバイパスの「唐房トンネル」(延長487m)も、1978年に完成していた呼子線用の単線トンネル(延長495m)を拡幅したものです。
唐房バイパスの開通により、唐津市中心部から呼子や名護屋城跡・波戸岬方面へのアクセス性が向上します。
県はこの唐津の海を楽しめる新ルートの名称を「ルート・グランブルー ~ジャック・マイヨールが愛した海~」とし、情報発信に活用していく方針です。