2023年10月11日、スズキのインド法人は、新型「ジムニー5ドア」の輸出を開始したと発表しました。どのような地域への輸出が開始されたのでしょうか。
■待望の新型「ジムニー“5ドア”」輸出開始
2023年10月11日、スズキのインド法人マルチ・スズキは、新型「ジムニー5ドア」の輸出を開始したと発表しました。
ジムニーシリーズは、世界194の国と地域で幅広く活躍するコンパクト4WDです。
日本では、軽自動車モデル「ジムニー」に加え、車体や骨格をそのままに、オーバーフェンダーなどでサイズを拡張し、小型車用エンジンを搭載した「ジムニーシエラ」もラインナップされています。
海外では軽自動車規格がないため、このジムニーシエラが通常モデルの「ジムニー」として展開されています。
新型ジムニー5ドアは、そんなジムニーシエラの車体を延長し後部ドアを追加して5ドアボディとしたモデルで、1月12日にインドで開催された「Auto Expo 2023」で公開され、同年6月7日にも同市場で発売開始されています。
また、2023年8月28日には南アフリカに導入されることも発表されました。
ボディサイズは、全長3985mm×全幅1645mm×全高1720mm、ホイールベースは2590mmと、日本で販売されるジムニーシエラに対し、全長は435mm、ホイールベースは340mm延長。リアドアの追加だけでなく、後席の足元空間や荷室の拡大も実現しました。
通常のジムニーシエラと比較し、エクステリアでは専用のメッキパーツ付き5連スロットルグリルが、インテリアでは後席に専用のリアシートをそれぞれ新たに採用しています。
ただし、この専用のリアシートの全幅は3ドア仕様と同様で、後席が2人乗りという点に変更はなく、乗車定員は4名のままとなっています。
パワートレインには、最高出力104.8馬力・最大トルク134.2Nmを発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。これに組み合わせるトランスミッションは、5速MTもしくは4速ATです。
インドでの価格は、127万4000インド・ルピー(約228万円)です。
今回の発表では、この新型ジムニー5ドアの輸出が10月11日に開始されたと明らかになりました。輸出地域はラテンアメリカや中東、アフリカ地域とされており、現在のところ日本は含まれません。
なお、スズキのインド法人は、2020年11月にも中南米やアフリカなどへ輸出する3ドアのジムニーの生産を開始したと発表しており、これらの地域で販売されるジムニーシリーズの生産を一手に引き受けています。
今回の輸出開始について、マルチ・スズキのマネージング・ディレクター兼最高経営責任者(CEO)の竹内寿志氏は以下のようにコメントしています。
「ジムニーはSUVセグメントにおけるマルチ・スズキの存在感を強化しました。このクルマは、特に厳しい路面でのオフロード体験を楽しむお客様に最適です。
当社の輸出ポートフォリオに含まれるインド製の新型ジムニー5ドアは、海外のお客様に大きな感動を与えることでしょう。インド政府の『メイク・イン・インディア』構想に沿って、当社は現在、広範な製品を輸出しています」
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新型ジムニー5ドアの輸出が開始されましたが、南ア地域仕様については詳細が明らかになっていません。
一方、インドでは用意されない“現在の3ドアラインナップで非常に人気のある新色“というジャングルグリーンが用意されるとのこと。
また、発売時には、セレスティアルブルー、グラナイトグレー、メタリックブラック×シズリングレッドのツートンなど、日本仕様では設定のない新しい特別色も用意される予定と公表されています。
日本での発売についてはまだ正式な発表はありませんが、販売地域を順次拡大していることから、その期待が高まります。