日本の自動車史には様々なクルマが存在します。その中でも比較的珍車の部類に入るのがスズキ「アルトハッスル」です。さらに今回中古車市場で発見されたのは珍車MAXな個体でした。
■走りの楽しさと利便性を融合したアルトハッスル!
スズキ「アルト」は同社の歴史においても非常に重要な1台です。
今回、中古車市場で発見されたのはそんなアルトのトールワゴンモデルである「アルトハッスル」ですが、どのようなモデルなのでしょうか。
初代アルトは1979年にデビューしました。鈴木修氏が社長に就任して最初の新型車であったこともあり、大きな注目を集めたモデルです。
約40年以上の歴史を誇るアルトは、現行が9代目として2021年から登場しています。
このモデルは初代に近しい角ばったデザインが採用され、マイルドハイブリッドエンジンの設定もあることから、レトロさと先進的な技術が融合した1台ともいえます。
長年、アルトが売れ続けている理由のひとつとしては、さまざまな需要に応え続けてきたという背景があります。スタンダードカーとしてはもちろん、走りを楽しむためのスポーツモデルや、商用車など複数の需要に応えてきました。
8代目では15年ぶりに、スポーツモデルであるアルトワークスを復活させるなど、現在でも大きく支持されています。
そんなアルトですが、今回中古車市場で発見されたのは3代目モデルです。
3代目ではハッスルなどのトールワゴン型も登場し、より利便性が高まったモデルがラインナップに加えられました。
発見されたモデルは、そのハッスルをよりスポーティな仕様へとチューンアップした個体です。
エクステリアカラーは派手なオレンジに加えて、足元の部分はブラックのツートンで仕上げられており、大きな傷も見当たらない良好な状態です。
ボンネットにはエアインテイク、ボディにはリアスポイラーなども取り付けられており、スポーティな外観をしているだけでなく、MOMO製のステアリングホイールを装着するなど、内装にも拘っています。
このアルトハッスルを販売している千葉県のバクヤスオートの担当者は、この個体について次のように話します。
「この個体のエンジンは、アルトワークスからのターボエンジンをを乗せ替えています。
これは通常モデルのハッスルにはターボの搭載がなかったからです。
そのほかにも、足回りとマフラーも変更しチューニングを行っています。
一般的には珍車と呼ぶような認識のクルマに当たるかと思います。
こちらはオークションで仕入れた個体を弊社で修理を行なったものです。アルトハッスルは過去にも取り扱ってきています。
過去にも販売していたこともあるので、コアな旧車好きのお客様や、個性的なクルマが好きなお客様からのお問い合わせを多く頂戴しています。
店舗の前に置いておくと『なんだこれ!』と言われるような個体で、中には作り物かと疑われるような問い合わせもあります」
1992年式のこのアルトハッスルは、車両本体価格75万円で販売されています。