クルマには取扱説明書などと一緒に、メンテナンスノートや整備手帳などというものが備えられています。一体どのようなものなのでしょうか。
■普段見ないが大切なことが書かれている
クルマの取扱説明書などとともに「メンテナンスノート」や「整備手帳」と呼ばれる冊子があります。
これはいつ使うもので、どのようなことが書かれているのでしょうか。
メンテナンスノートや整備手帳(以下メンテナンスノートに統一)は、クルマを購入した際に車検証や取扱説明書などと一緒に、ファイルやケースなどに入れて保管されていることがあります。
国土交通省によると、自動車メーカーは法定点検以外の点検整備の実施にあたって必要となる情報を、メンテナンスノートとしてユーザーに提供しているといいます。
例えばトヨタでは、メンテナンスノートは新車保証書と兼ねた冊子になっており、点検整備の時期と項目、日常点検整備の方法、点検整備記録簿が一体となって記載されています。
具体的には、最初の複数ページが新車保証書で、そのクルマの車体番号や仕様、メーカー保証を受けられる期間や条件などが書かれ、次に点検整備項目としてどのような項目をどのタイミングで点検する必要があるか、そして実際の点検整備記録簿が記されています。
点検整備記録簿には、ディーラーなどに24ヶ月点検などで入庫した際、そこで実施された点検や部品交換・調整、修理などの対応内容が記録されていきます。
こういったページは普段あまり確認する機会はないかもしれませんが、例えば年式の経過した中古車を購入する際には、これまでどのような整備が行われてきたのかを把握する指標になるので、走行距離も併せて一度見てみるとよいでしょう。
また、クルマを所有しているユーザーであれば日常的に確認すべきページもあります。それが日常点検整備の方法です。
クルマには車検や定期点検など、ディーラーや業者に依頼して行う整備や法定点検がありますが、それ以外にもユーザー自身で実施する「日常点検整備」が義務付けられています。
日常点検整備では、ボンネット内のオイルや冷却水などの量、タイヤの状況やブレーキの効き具合などを確認する必要がありますが、その項目や確認方法などがメンテナンスノートに記載されているのです。
長距離走行前や洗車時などタイミングを決めて、メンテナンスノートに記載された内容を確認しながら定期的に点検を行うことが必要です。
なお、メンテナンスノートを紛失してしまった場合や、中古車を購入した時点で付属されていなかったという場合でも、特に違反になることはありません。
一方で、過去の整備やメンテナンスの履歴が確認できないことから、売却する時の査定がマイナス評価になることはあり得るといいます。
なお、メーカーによっては公式サイト上で車台番号や登録番号を入力することでメンテナンスノートの内容を確認できることがあり、一部では保証書部分も含めて再発行が可能な場合もあるため、ディーラーに確認してみるといいでしょう。
しかし、点検や整備の履歴が記載される点検整備記録簿は、メンテナンスノートに直接書き込むもので再発行されても過去の記録は記載されないため、紛失しないよう保管しておくことが大切です。
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普段あまり目にすることがない人もいるかもしれませんが、メンテナンスノートにはこれまでの愛車の整備記録や点検方法などが記載されています。
もしディーラーなどに点検を依頼する際は、一度事前に内容を確認してみると、愛車を長持ちさせるヒントになるかもしれません。