ホンダがジャパンモビリティショーで世界初公開するスポーツコンセプトモデルに期待が高まりますが、2017年には2ドアスポーツEVをお披露目していました。
■期待の「2ドアスポーツ」 次世代の「S2000」になるか?
ホンダは10月25日(一般公開は28日)から開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」に出展し、次世代のモビリティや技術を展示します。
なかでも、スポーツモデルのコンセプトカーに期待が高まりますが、過去の「東京モーターショー」で出展された2ドアスポーツコンセプトも、当時は注目の的でした。
これまで東京モーターショーとして開催されてきた国内最大の自動車ショーが、コンセプトを一新し、ジャパンモビリティショーとして開催されます。
主催の日本自動車工業会は、モビリティの枠を超えて他産業やスタートアップなど新しい参加企業や団体も募っており、多くの来場者に「未来の日本」を体感して欲しいとしています。
ホンダは2023年9月26日に、ジャパンモビリティショーでの出展概要について発表し、次世代のモビリティや技術を展示すると明らかにしました。
そのうちの1台である「Honda Specialty Sports Concept(スペシャリティ スポーツ コンセプト)」は、四輪電動スポーツのコンセプトモデルとあり、25日の世界初公開に向けてどのようなモデルになるのかさっそく注目の存在となっています。
一方、2017年に開催された第45回東京モーターショーでは、同様なコンセプトを持つモデルが世界初公開されていました。
それが「Honda Sports EV Concept(ホンダ・スポーツ・イーブイ・コンセプト、以下スポーツEVコンセプト)」です。
スポーツEVコンセプトは、2017年9月にドイツで開催された「フランクフルトモーターショー」で初公開された「Honda Urban EV Concept(アーバンイーブイコンセプト・のちに「ホンダ e」として市販化)」がベース。
2ドアクーペのコンパクトなボディに、EV性能と人工知能(AI)を組み合わせ、人とクルマがひとつになったような「操る喜び」の実現を目指したといいます。
エクステリアは、抑揚のあるボディ造形や力強く張り出したフェンダーで構成され、丸いヘッドライトとブラックアウトされたフロントフェイスが特徴です。
ロングノーズ・ショートデッキである点は、かつてホンダが販売していた2ドアライトウェイトスポーツカー「S800」や「S2000」などに通ずるものを感じさせます。
「操る喜び」といった表現や「所有する喜びと愛着が感じられる、次世代のスポーツカーを目指した」という公式でのコメントから、走りの楽しさを追求した趣味性の高いモデルであることがうかがえます。
登場時は「S2000に代わる新たなモデルか」などと噂されましたが、同時出展のアーバンイーブイコンセプトとは異なり、出展後から現在に至るまで市販されませんでした。
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ホンダは1年半前の2022年4月12日に「四輪電動ビジネスの取り組みについて」という内容の発表会を開催。
このなかで、各市場におけるEV展開について、現在から2020年代後半までに主要地域ごとの市場特性に合わせた商品を投入すると明言しています。
2030年までには、軽商用からフラッグシップクラスまでグローバルで30車種を展開し、年間生産は200万台を超える計画を発表。さらにスポーツモデルに関して、「スペシャリティ」と「フラッグシップ」というふたつのモデルをグローバルへ投入していくことを明かしました。
今回世界初公開されるスペシャリティ スポーツ コンセプトは、この2022年に話題となったスポーツEV2モデルのうちの“スペシャリティ”を具体化したものではないかと、一部で噂されています。
そしてスポーツEVという意味では、2017年公開のスポーツEVコンセプトとの密接な関連性も感じられるところです。いずれにせよホンダはスポーツEVの将来的な市場投入を明言していることもあり、ますます期待が膨らみます。