ホンダがジャパンモビリティショーで世界初公開する2モデルは、約40年前に登場した共通コンセプトのクルマ/バイクに極めて近い関係性を持っています。
■「シティ/モトコンポ」にしか見えない新モデルに注目!
ホンダは、2023年10月25日(一般公開は28日)から開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー2023)」でコンセプトモデル「SUSTAINA-C Concept(サステナシーコンセプト)」および「Pocket Concept(ポケット コンセプト)」を世界初公開します。
この2つのコンセプトモデルは、過去にホンダが販売していたコンパクトカー/二輪車と強い共通性を感じさせるモデルです。
ジャパンモビリティショーは、これまで「東京モーターショー」として開催されてきた国内最大の自動車ショーに代わる新しいショーで、コンセプトが一新されました。
主催の日本自動車工業会は、モビリティの枠を超えて他産業やスタートアップなど新しい参加企業や団体も募っており、多くの来場者に「未来の日本」を体感して欲しいとしています。
ホンダではブーステーマ「Honda DREAM LOOP」を定め、新時代のモビリティや技術を出展します。
そのなかの1つがサステナシーコンセプトで、「限りある資源の制約から解放してくれる四輪電動モビリティのコンセプトモデル」と説明します。
車体は回収した使用済みアクリル樹脂を再利用して作られ、「地球環境の保護」と「自由な移動の喜び」を将来にわたって両立することを目指したといいます。
エクステリアはコンパクトEV「Honda e」とも共通性を感じさせる3ドアのコンパクトハッチバックボディです。
ルーフやフロントバンパー中央にはホワイトのアクセントカラーをあしらっているほか、ホイールはシンプルな5本スポークで中央部がレッドとなるなど、ポップなイメージを持たせています。
ドアミラーが極めて小型であることから、Honda eに採用された「サイドカメラミラーシステム」に類似する機構も採用していると見られます。
しかし、それ以上に特徴的なのが、レッドの鮮やかなボディカラーにバンパーの大面積を占めるブラックの色使い、愛嬌のある丸形のヘッドライト、グリル風の水平基調のフロントガーニッシュ、傾斜の強いボンネットです。
この特徴は、ホンダが1981年11月11日に発売した3ドアコンパクトカー「シティ」と共通しており、デビュー当時のシティを強く思い出させる仕上がりです。
加えて、二輪モデル「Pocket Concept(ポケット コンセプト)」も世界初公開されます。
ポケット コンセプトは、赤と黒の色使いや資源の再使用で作られる点などがサステナシーコンセプトと共通しており、統一された世界感を持つモデルです。
これについても、シティと同時発売され、かつシティのトランクに収まるように専用設計された二輪車「モトコンポ」を想起させるとともに、サステナシーコンセプトと同時に出展されるということから、シティ/モトコンポの関係性と極めて類似しているといっても過言ではありません。
現段階において、ポケットコンセプトがサステナシーコンセプトのトランクに収まるかは不明であり、市販化や具体的なボディサイズ、パワートレインなども明らかになっていません。
しかし、クルマ×バイクという斬新な使い勝手を創造し、「自由な移動の喜び」をもたらしたともいえる、シティ/モトコンポの再来に期待が高まっています。
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なお、シティの車名自体は海外では現在も使用されており、ブラジルなど一部の市場では「シティハッチバック」が展開されていますが、いずれも源流となるシティとは関連性は薄いモデルです。こうしたなかでのコンセプトモデル発表ということもあり、ますます期待が膨らみます。