千葉県内で建設が進む圏央道の大栄JCT~松尾横芝IC間について、新たな開通見込みが示されました。
■国とNEXCO東が施工
「2024年度」の開通が困難となっていた圏央道の大栄JCT~松尾横芝IC間について、新たな見通しが示されました。
千葉市内で2023年10月13日、国土交通省関東地方整備局や県、NEXCO東日本の担当者による連絡調整会議が開かれました。
圏央道は現在、千葉県内で、東関東道の大栄JCT(成田市)から銚子連絡道の松尾横芝IC(山武市)までを南北に結ぶ延長18.5kmの区間が建設中です。
事業は、関東地方整備局とNEXCO東日本が共同で取り組んでいますが、主に用地買収、トンネル掘削、重金属対応、跨道橋工事のそれぞれに課題があり、2024年度としてきた開通の見通しを見直していました。
13日の会議では、それぞれの課題について報告が行われました。
用地取得は全線で完了。難航していた芝山トンネル(延長616m、芝山町)の工事は、補助工法を見直した結果、安全かつ安定して掘削が進んでいるといいます。
環境基準値を超える自然由来の重金属(鉛・ヒ素)を検出した箇所では、県による区域指定が8月に完了し、NEXCO東日本が土地の形質の変更届出書を提出したことで、8月21日から工事を再開。
入札不調が発生していた機能補償道路工事(跨道橋)は、10月11日に契約手続きが完了し、順次工事に着手するといいます。
結果、大栄JCT~松尾横芝IC間は「2026年度開通見込み」と示され、さらにこのうち北半分の大栄JCT~国道296号IC(仮称)間は、1年程度前倒しでの開通を目指すとしています。
また、事業費はこれらの対応が影響し、1490億円から1940億円に増える見込みです。
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関東地方整備局は同日、圏央道の久喜白岡JCT~大栄JCT間4車線化事業と、千葉区間のPA整備に関する会議も開催しました。
暫定2車線の久喜白岡JCT~大栄JCT間では4車線化工事が進んでいます。一部はすでに完成していますが、全線については2025年度から2026年度にかけて完成する計画です。
このうち工事が遅れている千葉県内の神崎IC~大栄JCT間9.7kmは、4車線化の見通しが当初計画より1~2年遅れて「2025年度から2026年度の開通を目指す」といいます。
ICに併設される神崎PA(仮称)は、内回りが2025年度、外回りが2025年度から2026年度の供用を目指すとしています。
松尾横芝IC~山武成東IC間に整備予定の山武PA(仮称)は、測量や地質調査が完了しており、現在は概略設計を実施中。
今後、2023年内を目途に地元への説明会を開き、用地取得に向けた境界確認や幅杭設置に着手していく予定ということです。