トヨタは、まもなく開催される「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開する予定のコンセプトモデル「KAYOIBAKO」について、10月17日に先行公開しました。どのようなモデルなのでしょうか。
■物流のコンテナから着想 自由度の高い新型EVが登場へ
トヨタは2023年10月17日、25日(一般公開は28日)から開催される「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー・JMS)」において世界初公開する予定のコンセプトモデル「KAYOIBAKO(通い箱・カヨイバコ)」を先行公開しました。
ジャパンモビリティショーは、これまで「東京モーターショー」として開催されてきた国内最大の自動車ショーに代わる新しいショーで、コンセプトが一新されました。
主催の日本自動車工業会は、モビリティの枠を超えて他産業やスタートアップなど新しい参加企業や団体も参画するなど、多くの来場者に「未来の日本」を体感して欲しいとしています。
トヨタは、「クルマの未来を変えていこう-Find Your Future」をブーステーマに設定。
“Mobility for All”の精神に基づく車両展示では、2023年9月に発表されたフラッグシップモデル「センチュリー」の新モデルや新型「クラウン」シリーズに加え、来場者自身の唯一無二の愛車として進化していく未来のクルマも展示するとしています。
開催に向けて、世界初公開するコンセプトモデルの一部を連日公開しており、10月16日にはスポーツモデル「FT-Se」、SUVタイプ「FT-3e」の一部が明らかになりました。
今回、これらに続いて公開されたカヨイバコは、「“好きなときに・好きな場所で・好きなことができる”モビリティの未来を実現する」バッテリーEV(BEV)モデルだと説明します。
ボディサイズは全長3990mm×全幅1790mm×全高1855mm、ホイールベースは2800mmです。
エクステリアは直線基調でムダなデザインを削ぎ落とした、極めてシンプルなものとなっており、後部にはスライドドアを装備しています。
インテリアはエクステリア同様極めてシンプルなものにまとめられ、メーターやインフォテインメントシステム、異形ステアリングなど必要最低限の機能装備が取り付けられています。
室内は長さ3127mm×幅1485mm×高さ1437mmで、BEVの特性を活かした広い空間を実現。車中泊も可能そうな広さを誇ります。
コンセプトは、物流業界などで用いられ、拠点間を行き来しながら部品や製品を安全かつ効率的に運ぶコンテナ「通い箱」で、この考えを織り込み、これからのモビリティのあり方を表現した、新しいコンセプトのコンパクトスペースだといいます。
モビリティの「素性の良い原単位」として内外装のパッケージとアフォーダブル(手軽な、安価ななどという意味)さを追求したとしており、目的に応じて役割を変えることができる「超拡張性能」を備え、ベース車両として様々なシーンでのニーズにお応えするBEVです。
ソフト面でもハード面でも役割に応じたカスタマイズが可能なBEVの特性を活かし、スマートグリッドなど知能化された社会システムの一部として活躍すると説明します。
用途としては、ビジネス・プライベートのどちらにも対応。
ビジネスシーンではラストワンマイルの物流課題に対し、効率的な小口輸送に向けてのカスタマイズをすることでスマートな物流の実現に貢献。また、商品陳列棚を設けた移動販売車へのカスタマイズや、座席を増やして乗り合いバスにするなど、多様なニーズに対応しています。
プライベートでは、一人ひとりの趣味嗜好に応じたカスタマイズにより、オンリーワンのモビリティをつくることが可能。
ユーザーの「こう使いたい」「こんな生活スタイルを送りたい」という思いに対応できるとともに、例えば、車いすを利用される人でも乗り込みやすく、運転席に移動しやすい設計にするなど、“移動の自由”の提供にも貢献するといいます。
なお、JMSでのお披露目時には、カヨイバコがビジネスからプライベートまで自由に行き来するユーザーのニーズに、どのように応えられるかをショー形式で表現するという取り組みも実施予定です。