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ダイハツが次期「コペン」世界初公開へ! “脱軽自動車”は間違いない!? 1.3Lエンジン搭載&デカボディ化の狙いは?

くるまのニュース 2023年10月19日 11時50分

ダイハツが「ジャパン モビリティショー 2023」に出展する予定の「ビジョン コペン」は、次期「コペン」を示唆するものとして注目を集めています。どのようなコンセプトカーなのでしょうか。

■次期コペンは軽自動車規格を超える!?

 ダイハツは2023年10月6日、「ジャパン モビリティショー 2023」の出展概要を発表しました。そのなかでも、「ビジョン コペン」は特に注目を集めています。
 
 ビジョン コペンは、その名のとおり、軽スポーツカーの「コペン」の次期型を示唆するモデルです。

 軽自動車初の電動開閉式ルーフを持つスポーツカーとして2002年に登場したコペンは、コンパクトなボディと軽快な走り、そして愛らしいルックスから発売当初から大きな話題となりました。

 2012年に販売終了となったものの、2014年には現行モデルとなる2代目が登場。トヨタ「GRブランド」からも展開されるほか、着脱式の外装パーツによって印象を大きく変えることができる斬新なモデルへと生まれ変わりました。

 ただ、現行モデルの発売からすでに9年近くが経過し、そろそろ次期型の登場が待ち望まれていたのも事実です。

 そんななかで登場するビジョン コペンですが、これまでのコペンとは大きく変化している部分も見られます。

 たとえば、ボディサイズは全長3835mm×全幅1695mm×全高1265mmとなり、全長と全幅がひとまわり以上拡大。また、搭載されるエンジンは1.3リッターへ拡大され、さらには駆動方式もFR(後輪駆動)へと変更されています。

 ボディサイズやエンジンの排気量を見てもわかるとおり、ビジョン コペンはもはや軽自動車の枠におさまっていません。つまり、次期コペンも軽自動車ではなく、普通車となる可能性が高いことがうかがえます。

 もちろん、ビジョン コペンはあくまで「参考出品車」とされているため、この内容で市販されない可能性もじゅうぶんに考えられます。

 ただ、ボディサイズやエンジン排気量が具体的な数字で示されていることや、しっかりとつくりこまれた内外装のデザインを見る限り、かなり市販車に近い状態であることが予想されます。

 そう考えると、次期コペンが軽自動車規格を超えたモデルとなることはほぼ確実と言えそうです。

■次期コペンは海外展開&ロードスターの対抗馬に?

 ただし、次期コペンが軽自動車規格を超えることは決して驚くべきことではありません。

 軽自動車は日本独自の規格であり、日本のユーザーに最適化されたクルマです。

 その結果、現在日本の新車販売台数における軽自動車比率はおよそ4割にもおよびますが、そのほとんどは実用車であり、コペンのような趣味性の高いクルマはごくわずか。

 実際、ダイハツとトヨタを合わせたコペンの販売台数は年間5000台程度にとどまっており、売れ筋モデルの「タント」や「ムーヴ」の10分の1以下となっています。

ダイハツ新型「ビジョン コペン」

 薄利多売とならざるを得ない軽自動車において、年間5000台程度の販売台数ではじゅうぶんな利益が見込めません。そうなると、海外での販売も視野に入れる必要があります。

 コペンのようなライトウェイトスポーツカーは海外でも高い人気があり、実際に歴代コペンでは1.3リッターエンジンを搭載する輸出専用モデルがイギリスやオーストラリア、インドネシアなどで販売された実績があります。

 つまり、海外市場での展開を主軸に置くと、ボディの拡大化と排気量の増加は必要不可欠であると言えます。

 逆に言えば、海外でも販売されるようになると、これまでよりも多くの台数が生産されることになります。

 一般的に、クルマのような工業製品は、大量生産すればするほど1台あたりのコストを抑えることができ、次期コペンがグローバルモデルとなって生産台数が大きく増えると、さらにコストパフォーマンスの高いモデルとなることが考えられます。

 大型化した次期コペンのライバルになると考えられるのは、やはり国産ライトウェイトスポーツカーの金字塔であるマツダ「ロードスター」です。

 現行モデルとなる4代目ロードスターは、グローバルにおける年間販売台数が3万台程度と、コペンのおよそ6倍の数を誇ります。

 また、国内外の主要自動車メーカーにはロードスターと競合するモデルがほとんどなく、このカテゴリーを独走している状態です。

 そのなかで、次期コペンがロードスターの対抗馬となることには大きな意味があると言えそうです。

 さらに、ロードスターの販売台数のほとんどは日欧米に偏っており、ダイハツが得意とする東南アジア市場ではほとんど販売されていません。

 こうした背景を考えると、次期コペンが軽自動車規格を超えるメリットは非常に多くあると言えそうです。

※ ※ ※

 コペンの大型化の背景には、年々厳格化される規制への対応という側面もあるでしょう。

 日本では、2025年から軽自動車を含むすべてのクルマに衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務付けられるほか、側面衝突基準なども今後さらに厳しくなる見込みです。

 そうした各種法規制への対応が現状の軽自動車規格では難しいことも、ボディの大型化の要因のひとつと言われています。

 実際、コペンとライバル関係にあったホンダ「S660」が2022年に生産終了となったのは、各種法規制への対応が難しかったことが大きな要因とされています。

 一方、ダイハツはかねてからコペンの生産を継続する意志を表明してきました。

 そういった意味では、ボディの大型化はコペンが生き残るために必要不可欠なことだと言えそうです。

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