トノックスとフレックスは、2社共同で製作したトヨタ「ランドクルーザー60」のコンバージョンEVを、「ジャパンモビリティショー2023」に展示すると発表しました。一体なぜ同車のEV化を試みたのでしょうか。
■トヨタ「ランクル60」を夢のEV化!
特装車架装メーカーである「トノックス」と、ランドクルーザーやハイエースをメイン車種として販売する「フレックス」は2023年10月18日、2社共同で製作したトヨタ「ランドクルーザー60」のコンバージョンEVを公開するとともに、2023年10月28日から一般公開される第1回「ジャパンモビリティショー2023」のトノックスブースに展示すると発表しました。
ランドクルーザー60(通称「ランクル60」)は、1980年にトヨタから発売されたランドクルーザーの5代目モデル。
従来のランドクルーザーが持っていた“特殊用途のためのクルマ”というイメージを大きく変え、乗用車としての性格を強めたモデルです。
近代的に一新された外観とともにインテリアの質感も先代に比べて大きく向上され、フロントシートをベンチタイプからセパレートタイプに変更。乗車定員は従来の6名から5名となりました。
標準でエアコンやパワーステアリング、ファブリックシートを採用するほか、上級グレードには電動シートや電動サンルーフ、前席シートヒーターなど様々な快適装備も多く用意されています。
また、ロングボディのステーションワゴンというスタイルも同車が先駆けといわれており、路走破性能と実用性を両立した画期的な存在として、日本はもちろん海外でも好評を博しました。
このランクル60に元々搭載されていたエンジンを取り外し、電気モーターに置き換えた電気自動車(EV)が、今回発表されたランクル60コンバージョンEVです。
同車は、ガソリン車からEV車へのシフトが加速する昨今において、更なる特装車架装を切り開くとともに、人とクルマの新しい関係性を模索することをテーマに掲げるプロジェクト「ランクル60コンバージョンEVプロジェクト」によって開発。
このプロジェクトはクルマを「単なる移動手段」ではなく「大切な人達と過ごした思い出が詰まったかけがえのないもの」と捉えており、お気に入りのクルマの見た目はそのままに動力源をエンジンから電気モーターに置き換えて「新しいEV」へと生まれ変わらせることで、クルマと思い出を一緒に次の世代へと受け継いでいくことに挑むプロジェクトの第一弾だといいます。
今回、ランクル60がEVへと改造される様子が写真とともに公開され、ボディの分解や補修、さらにエンジンが取り外される工程などが臨場感とともに伝わります。
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このプロジェクトについて、トノックスの常務取締役である殿内崇生氏は以下のコメントを発表しました。
「車体製造・特装車架装メーカーとして実績と信頼を積み上げたトノックスと、自動車販売業として日本のトップクラスを牽引するフレックスとの共同開発は、EVへシフトしていく中での新しい挑戦です。
30年、40年それ以上経つ車両がガソリンエンジンからEVに生まれ変わることで、もう一度思い出と共に復活する。夢を叶える事業を進めます」
また同時に、フレックスの代表取締役社長である藤崎孝行氏も以下のコメントを述べています。
「私たちフレックスのテーマはヒトとクルマの新しい関係を創造することです。
クルマを『つくる』ことの比類なきプロフェッショナルであるトノックスと、販売というかたちで長年クルマを『つかう』現場に立ち続けてきた私たちフレックスが共同で、新しいクルマの未来のあり方を模索します」