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スズキ「ジムニー」は2年待ち!? MTよりもATが人気が要因? 「5ドア導入」はまだまだ先なのか

くるまのニュース 2023年10月28日 9時10分

スズキ「ジムニー3ドア」の納期が依然として長い状態が続きますが、その背景にはどのような事情があるのでしょうか。

■ジムニー3ドアはATが人気で最大2年待ち? 5ドアはまだ先か

 ついに、インドから中東、アフリカ、中南米への輸出が始まったスズキ「ジムニー5ドア」。
 
 後部座席への乗降性の向上、荷室の拡大によって、世界のユーザーから期待される同モデルですが、未だ日本への導入は不透明な状態です。
 
 その一方で「ジムニー3ドア」の納期もいまだ長い状態ですが、現状はどうなっているのでしょうか。

 2023年初めに開催された、スズキ副代理店向けの会合において、鈴木俊宏社長は「国内での3ドアの納期に見通しがつかない以上、日本国内での5ドアの販売は当面ない」という内容の談話を発表しました。

 販売店やディーラースタッフによれば、現行型ジムニー&ジムニーシエラは後部ドアがないという理由から、奥さんが購入に反対するケースが多いといいます。

 そのため、5ドアの登場を心待ちにしている人が多く、同時にジムニー業界もユーザー層がさらに拡大することから、日本発売に期待を寄せているようです。

 いずれにせよ、3ドアモデルの納期がジムニー、ジムニーシエラ共に7か月以下になるようにメーカーも努力しているようですが、果たして実情はどうなっているのでしょうか。

 今回、首都圏にあるスズキの販売店3店舗に、10月末時点の納車状態を聞いてみました。

 それによると、現状で告知している納期はジムニー、ジムニーシエラの全グレードで1年以上。AT車については、2年待ちの場合もあると言います。

「ネット上では『ATの部品が不足しているため』という情報もあるようですが、実際にはATを選ぶお客様が非常に多いため、納期でご迷惑をお掛けしている状態です」(アリーナ営業スタッフ)

 このスタッフによれば、ジムニーシリーズにおけるAT比率は全国平均で約7割となっており、そのため年間生産台数が限られるジムニーシリーズにおいては、2年待ちもあり得るというのです。

 その一方で、2年はあくまでもメーカーが定めた納期の上限であり、そこままでかからないという営業スタッフもいました。

「2年待ちと告知している販売店もあるようですが、実際には納期が短くなることが多いため、ATでも1年半ほどで納車できると思います。

 ちなみに、MT車であれば半年ほどお待ちいただければお届けできるのではないかと」(別のアリーナ店営業スタッフ)

 しかし、これも販売店によって案内が異なっており、半年から7か月で納車できるという店がある一方で、1年半は待つという店もあり、まちまちな状態です。

■販売店によって納期がバラバラ、その背景は?

 さらにその他の都道府県でも、納期がバラバラとなっています。どうして、このようなことが起こっているのでしょうか。

 関西圏にあるスズキ副代理店の社長は、次のように語ります。

「これまでスズキは、受注台数の多い地域の販売店に優先してジムニーをデリバリーしてきました。

 しかし、隣接する地域の販売店からユーザーに違う納期を案内しづらいという意見が出たことで、9月からは全国一律受注順にデリバリーすることになったという案内が来ました」

 ただ、このシステム変更がすぐに納期の改善に繋がっているというわけではないようで、全国でAT車は2年待ちと告知する販売店がまだ多いようです。

多くのユーザーがジムニーのATを求めている?

 ここまで長いと愛車計画が立てづらいというユーザーもいると思いますが、キャンセル待ちを狙うという手はないのでしょうか。

「キャンセル待ちの車両は、同じグレードや仕様を待つ他のお客様にデリバリーするのですが、この車両はキャンセルが出た店に来るわけではありません。

 かつてはそういうこともありましたが、現状では受注順に沿って注文された別な店のお客様の元に届けられるようになっているため、キャンセル待ちを狙うのは無理ですね」(前出のアリーナ店営業スタッフ)

※ ※ ※

 デビューから5年以上を経過しても、未だファン垂涎のクルマであるジムニー。

 特別仕様車も出なければ、仕様変更もほとんどないというのは、国産車では非常に希有と言えます。

 ジムニー5ドアの国内待望論はますます高まっていますが、このままでは2025年の発売も厳しいかもしれません。

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