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ダイハツ新型「斬新軽バン・軽トラ」世界初公開! カッコいいデザインには“理由”あり! 見えてきた「将来の軽商用車像」とは

くるまのニュース 2023年10月30日 14時50分

「ジャパンモビリティショー2023」で軽中心の展示を行うダイハツは、軽トラ・軽バンのコンセプトカー「UNIFORM Truck/UNIFORM Cargo(ユニフォームトラック/ユニフォームカーゴ)」を出展しました。シンプルながら「カッコいい」デザインの理由について紹介します。

■「はたらくクルマ」の原点を追求した軽商用車

 2023年10月28日より一般公開が始まった第1回「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー2023:JMS2023)」で、軽自動車のコンセプトカーをメインに展示するダイハツ。
 
 求められる機能をそのままカタチにしたような「UNIFORM Truck/UNIFORM Cargo(ユニフォームトラック/ユニフォームカーゴ)」は、将来を見据えた現実味のある軽トラ・軽バンのコンセプトカーでした。

 ダイハツがJMS2023に出展したユニフォームトラック/ユニフォームカーゴは、軽商用車を知り尽くしたダイハツだけに、コンセプトカーでありながらも現実味がある「軽商用車の未来像」を提示しています。

 購入価格を抑えるため、そもそも軽商用車はシンプルにつくられていますが、近年は商品性を高めるため、内外装にデコラティブなデザインを施したり、装備の充実なども図られています。

 いっぽうユニフォームトラックとユニフォームカーゴでは、「働くクルマの原点を追求し、多様な働き方や用途に対応する未来の軽商用車である」とダイハツが定義づけている通り、機能を追求し、かつシンプルに設計されています。

 全体的な外観は、フラットな面のボディおよびルーフレール状の黒いモールディングと連続して構築されるフロントグリルで構成。

 グリル下部には、前方下方の視界を向上させる窓が設けられています。

 フロントの雰囲気は、どことなく4代目「ハイゼット」を彷彿とさせる懐かしい雰囲気だ、とSNSでも話題となっています。

 内装も、外観と同じく極めてミニマルな構成。内部構造が見える空調システム、露出する空調パイプなど、通常ではダッシュボードで隠される内部構造が明らかにされているのも特徴です。

 大きな円形の吹き出し口自体も、回したい!と衝動に駆られるようなデザインです。

 しかし、ハイゼットのトラックとカーゴ(バン)の基本設計が別れているのと同様に、ユニフォームトラック/ユニフォームカーゴも、ホイールベースや各部のデザインが変更されており、現実の使用に即していることがわかります。

 ユニフォームトラックでは、現行型の軽トラック「ハイゼットトラック」のように、シートの真下に前輪が来るレイアウトで設計。これによりホイールベースが短くなり、小回り性能を高めています。

 軽トラックが活躍する日本の田んぼのあぜ道は、まさにその軽トラのサイズに合わせてあるといわれており、むやみに大きくするワケにはいかないのです。

「UNIFORM Truck(ユニフォーム トラック)」の機能的な内装・インパネまわり

 足元を広げるため、ドアは外ヒンジ式を採用。フラットな床は、丸ごと水洗いを可能にしています。

 シートのドア側のカドが斜めに削られているのは、乗降性向上とシートが傷むことを防ぐためのものです。

 アンダーボディと一体化した荷台の上には、用途に応じてアタッチメントを装着することができるため、展示車は、側面を大きく開くことで荷台に立つことができる新しい「Nibako(ニバコ:荷箱)」を搭載した野菜の移動販売車となっていました。

 Nibakoの壁面には、BEVの利点である外部給電機能が装備されており、電源を必要とするさまざまな状況に応じることができます。

■「機能」がそのまま「デザイン」になっている素晴らしさ

 もう1台のユニフォームカーゴも、現行の軽バン「ハイゼットカーゴ」と同じく、前輪を前方に配置しています。

 荷室の壁面には、ビジネス・プライベート双方で便利に活用できるユーティリティナットを多数設置するほか、畳むとフラットな床に早変わりするリアシートなどを装備。すぐにでも市販できそうな細かな作り込みが行われていました。

 商用だけではなく、個人が購入してもアウトドアレジャーや車中泊で大活躍しそうです。

ダイハツ 軽バンコンセプト「UNIFORM Cargo(ユニフォーム カーゴ)」[ジャパンモビリティショー2023参考出品車]

 筆者(遠藤イヅル)がユニフォームトラックとユニフォームカーゴを見て感心したのが、各部のパーツが「機能をそのままカタチにしていること」でした。

 ダイハツのくるま開発本部 デザイン部 第2デザインクリエイト室 主任の池内 淳氏は、次のように話します。

「デザインするためのデザインではなく、機能を表現するためにどうすれば最適化できるかを考えました。

 見た瞬間に使い方が理解できる、最小限の要素でデザインしました」

 一例が、大きなドアノブ。

 見た瞬間に開閉方法がわかります。「ドアノブはこれでいいじゃないか!」という形状です。

 前述の内装を含め、両車にはその考え方が徹底していました。

※ ※ ※

 かつての、徹底的にシンプルに作られていた軽商用車を再現したようなユニフォームトラックとユニフォームカーゴには、働くクルマ・ミニマルなクルマの魅力が詰まっています。

 商用車は縁の下の力持ちで、日本の社会を支えるインフラのひとつなのに、そのコンセプトカーは目立ちにくいものです。

 しかしダイハツはしっかりと軽商用車の行く先を考え抜いていました。

「未来のハイゼット」は、きっとこのようなクルマとなるに違いありません。

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