最近はスマートフォンの「カーカーナビアプリ」を使ってクルマを運転する人が増え、なかには純正ナビと併用している人もいるようです。この傾向は流通業界でも同じで、むしろ多くのトラック運転手がカーナビアプリを活用しているようです。
■スマホのカーナビアプリはトラック運転手の必需品!?
今やクルマに「ナビゲーション(以下、ナビ)」が装着されるのが一般的となりました。
そして最近は純正の車載ナビはもちろんですが、スマホの「カーナビアプリ」をメインに使う人も増えています。
スマホやタブレットを中心とした通信やネットに関する市場調査や消費者動向を調査・発表している「MMD研究所」によると、4000人以上の男女(18歳~69歳)を対象にした調査で、スマホのカーナビアプリ利用率は全体の44.9%(2022年9月時点)、車載ナビを搭載したクルマを運転する人の32.5%がカーナビアプリも併用しているようです。
また車載ナビ非搭載のクルマでは、39.2%のドライバーがカーナビアプリを利用しているとの結果もありますが、車載ナビがあってもカーナビアプリを併用する人もおり、一般ドライバーのカーナビアプリ利用率が高まっていることがわかります。
この傾向は流通業界でも同じで、むしろ多くのトラック運転手がカーナビアプリを活用しているといいます。
「トラック運転手のカーナビアプリ利用率はもっと高い」と語るのは、この道20年以上のベテラントラック運転手のI氏です。
なぜカーナビアプリを使うトラック運転手が多いのでしょうか。
「そもそも個人経営以外のほとんどのトラックは会社所有です。装備は実用優先になっているので、車載ナビが搭載されていないことも多いのです。
昔は地図を見てラジオや無線から交通情報などを入手していましたが、若いドライバーなどはカーナビアプリを使うのが一般的ですし、やはりナビに誘導してもらったほうが楽なケースもあります。
また現在はスマホを手にしての運転は交通違反のため充電機能付きスマホホルダーを使用することで、カーナビアプリが使いやすく感じるのかもしれません」
車載カーナビは後付けの安いものでも数万円はするため、出費を抑えたい法人としては、初期投資の少ないスマホのカーナビアプリを利用することが増えたというのが実態のようです。
そんなI氏も以前は地図派でしたが、最近は当たり前のようにカーナビアプリを使用するようになったといいます。
これは流通系ドライバーに共通することだというのですが、運転中は「ひとりぼっち」です。スマホに取り込んだ音楽などを聴くことも多く、その延長線上でカーナビアプリを併用するのが一般的なのだそうです。
では、トラック運転手がよく利用するカーナビアプリはどのようものがあるのでしょうか。
一般ドライバーと同じくスマホに初めからインストールされているカーナビアプリはもちろん、トラック専用のカーナビアプリなどもあるようです。
「複数のカーナビアプリを使用するドライバーが多く、無料で使える『Google Map』や『Yahoo!カーナビ』などはほぼ全員使っているのではないでしょうか。
有料版では、『NAVITIME(無料だが一部有料)』や『ゼンリンいつもNAVI』などが人気のようです。
特に『NAVITIME』にはトラック専用の『トラックカーナビ(無料版)』というのがあって、自分の車両情報を入力するとトラックの通行を考慮したルート案内をしてくれる機能もあるのです」(トラック運転手 I氏)
トラックの場合、全幅や全高だけでなく重量の制限によっては通行できない道も存在します。車両情報など設定しておけば、それを考慮した最適なルート案内をしてくれるカーナビアプリは人気なのだそう。
以前、大型トラックが曲がりきれない踏切で立ち往生し、列車と衝突事故が発生した件などもありましたが、もしもトラック専用のカーナビアプリを使っていたら避けられたのかもしれないと思うと残念ではあります。
「我々トラック運転手が欲しい情報は『リアルタイムの交通情報』と『渋滞情報(回避できるルート案内などを含む)』です。
無料のカーナビアプリは使い勝手も悪くないのですが、ときにはトラックで通れないルート案内することもあります。
そういったときに有料版はすぐに迂回ルートが検索できたりするので、複数のカーナビアプリを使う人が多いのです」(トラック運転手 I氏)
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カーナビアプリが便利かつ正確なあまり、自分で走行ルートを考える力は(プロですら)確実に弱くなってしまうという弊害もあります。
道を覚えてルートを自分で考えるのは、脳の活性化に非常に良いとのこと。ナビの推奨ルートはあくまで目安であり、目の前の交通状況に臨機応変に対応しつつ、安全に走行したいものです。