ホンダがジャパンモビリティショーで世界初公開した新型「プレリュード コンセプト」は随所に歴代モデルを彷彿とさせるデザインを採用しています。
■新型「プレリュード」 歴代もオマージュ?
ホンダは2023年10月25日、開催中(一般公開は28日から)の第1回「ジャパンモビリティショー2023」(以下JMS2023)において、新型「プレリュード コンセプト」を世界初公開しました。
新たなスポーツモデルとして期待されている同モデルですが、歴代の「プレリュード」と共通性を感じさせるデザインが随所に取り入れられています。
プレリュードは、1978年から5世代にわたって販売された2ドアスペシャリティクーペです。
スタイリッシュなデザインに、ホンダの最新技術を採用したパワートレインやシャシによる高い走行性能を持っており、歴代モデルそれぞれで根強い人気を持ちます。
なかでも、1982年に発売された2代目プレリュードは、当時のバブル景気も手伝っていわゆる「デートカー」として若い男女に人気を集めました。
最終モデルは1996年11月に登場した5代目ですが、2001年に販売を終了。以後、ホンダのラインナップ上からプレリュードの車名は消滅していましたが、22年ぶりにその名が復活したことで、当時を知るファンを中心に注目を集めています。
今回世界初公開されたプレリュードコンセプトは、電動モデルとして登場。ボディタイプはこれまでのプレリュードと同様に2ドアクーペスタイルを採用しました。
2022年4月に「四輪電動ビジネスの取り組みについて」という発表のなかで登場が明かされた2タイプの電動スポーツモデルのうち「スペシャリティ」に当たるモデルです。
2020年代半ばの発売を目指して開発中であることも明らかになっています。
ホンダの担当者は、新型プレリュードコンセプトについて以下のように話します。
「単に『プレリュード復活』だけではなく、ホンダの新しい技術を搭載し、新たなスポーツカーの幕開けを示すモデルとしての位置付けです」
デザインは、フロントは鋭く細長いヘッドライトやノーズ先端に配されたグリル内の横一文字ライト、ロアグリル中央に縦に配置されたブルーのアクセントライトが目立ちます。
サイドは大きく寝たフロントウインドウからルーフ、テールにかけてなだらかな稜線を描いており、ワイドなリアフェンダーや抑揚の効いたサイドステップなどがスポーティなイメージを与えます。
リアはブラックガーニッシュに配された真一文字のテールランプを装備し、筆記体のような「Prelude」エンブレムが配され、ホンダの「H」エンブレムは装備されていません。
全体的には最新のホンダモデルとは共通性を感じさせない新しいものとなっていますが、実は歴代プレリュードの要素をインプットしたような意匠も感じられます。
フロントでは、ボンネット先端がそのままグリルにかけて延長し、連続したようなデザインが4代目を想起させます。
サイドはフロンドドアウインドウから続くクオーターウインドウの形状が、ストレートではなくわずかながら上部に折れている形状が5代目の面影を残しています。
リアデザインでは、横一文字のように一体化したテールランプは3代目で採用されており、リアエンブレムの筆記体のようなフォントも4代目で採用されていました。
各部に過去のプレリュードとつながりを感じさせる新型プレリュードコンセプトについて本田技研工業 取締役 代表執行役社長 三部 敏宏氏は、JMS2023のプレスカンファレンスで次のようにコメントしています。
「ホンダは、いつの時代もスポーティなクルマづくりにこだわってきました。
プレリュードという言葉は、『前奏曲・先駆け』を意味します。このモデルは、本格的な電動化時代へ“操る喜び”を継承する、ホンダ不変のスポーツマインドを体現するモデルの先駆けとなります。
プレリュード コンセプトは、どこまでも行きたくなる気持ちよさと、非日常のときめきを感じさせてくれる、スペシャリティスポーツモデルです。
ホンダだからこそできる“操る喜び”を皆さまにお届けすべく、現在、鋭意開発を進めています。ぜひ、ご期待ください」