クルマが右カーブの道路を道なりに曲がろうとしている画像とともに「この場合みなさん合図を出す?出さない?」との質問をSNSに投稿した内容が話題となっています。果たして正解はあるのでしょうか。
■この道でウインカーは出す? SNSでは「出す」「出さない」論争も!
クルマを運転していると、左や右に大きくカーブした道路を通行する場面があります。
インターネット上では、そのようなカーブを曲がる際に「ウィンカーを出す必要があるのか」がときどき議論されますが、どちらが正しいのでしょうか。
2023年10月28日、X(旧Twitter)において「ユズリアイ|安全運転補完計画」(@projectyuzuriai)氏が投稿したポストが話題を呼んでいます。
同ポストでは、クルマが右カーブの道路を道なりに曲がろうとしている画像とともに「この場合みなさん合図を出す?出さない?」との質問を投稿。
画像には「合図を出さない」と「右合図を出す」という2つの選択肢が示されています。
この投稿に対しては「道なりなので出さない」という声のほか、「まわりのクルマに自分の進行方向を知らせるためにウィンカーを出す」「慣れていない道路なら出すかな」など、さまざまな意見が寄せられています。
このように大きくカーブしている道路では、右折や左折と同様にウィンカーを出す必要があるのか迷ってしまうドライバーも多くいるようです。
では、交通ルール上はどのような決まりなのでしょうか。
結論から言うと、道なりのカーブを曲がる際にはウィンカーを出す必要はありません。
なぜなら、道なりのカーブを曲がることは道路交通法上、左折や右折に当たらないためです。
クルマが出すべき合図については、道路交通法第53条第1項および第2項に次のように規定されています。
●第1条
「車両の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない(文章を一部抜粋)」
●第2条
「車両の運転者は、環状交差点においては、前項の規定にかかわらず、当該環状交差点を出るとき、又は当該環状交差点において徐行し、停止し、若しくは後退するときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない」
つまり右左折のほか、Uターンや車線変更をするとき、環状交差点に出入りするときなどはウィンカー(方向指示器)を出すと決められています。
その一方、道路を道なりに進む場合はそれらに該当せず、ウィンカーを出す必要はありません。
■接続する道路に行く場合はウインカーを出す? 出さない?
北海道警の余市警察署が公表している「交差点の通行方法」という資料においても、「主となる道路に沿ってカーブを走行する際は、たとえ右左折に見えてもウィンカーは必要ありません」と明記されています。
ただし主となる道路から、接続する別の道路へ入る際にはウィンカーを出さなければいけないため注意しましょう。
たとえば国道の右カーブに県道が垂直につながった、アルファベットの「r」のような形の交差点で、国道から県道へ進む場合は直進に見えても左折のウィンカーを出す必要があります。
右折や左折をしないのにウィンカーを出すと、厳密には道路交通法第53条第4項に規定する「合図制限違反」に当たります。
とはいえ、この違反は他のクルマへの危険性や迷惑性などを総合的に判断した上で検挙されるため、ウィンカーを間違えたからといって直ちに警察に捕まる可能性は低いといえるでしょう。
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知らない人も多くいますが、カーブを道なりに進む場合はウィンカーを出す必要はありません。
ウィンカーを出すかどうかについては、道路標識や路面標示、道路の形状などをよく確認して判断することが大切です。