横浜ゴムは、「ジャパンモビリティショー2023」にて、「ヨコハマが創る未来のタイヤ」をコンセプトとしたブースを出展しています。
■横浜ゴムが描く未来のタイヤをJMS2023ブースで多数展示
横浜ゴムは、東京ビッグサイトで開催されている「ジャパンモビリティショー2023」にて、「ヨコハマが創る未来のタイヤ」をコンセプトとしたブースを出展しています。
東2ホールにある横浜ゴムブースでは、既に市販品に採用されている次世代の技術や、将来採用の見込みがあるコンセプトモデルなど数多くの技術が展示されていますが、ここではあえて3つに絞ってタイヤ技術を紹介します。
最初に紹介するのは「硬度可変スタビライザー」を搭載した未来のスポーツタイヤコーナー。これはゴム製のタイヤの中に特別なフレームを仕込み、それに電気を流すことによってフレームの硬度を変化させるというものです。
この技術が実現すれば、1つのタイヤで「柔らかい」「硬い」を無段階で、瞬時に変更することが可能になり、街中や路面状況が悪い場所では柔らかくして乗り心地を高め、速度を上げた時やワインディング路では硬くしてスポーツ性能を上げることが可能になるそう。
さらに、車両のセンサーと連動させることで、ブレーキ時は前輪のタイヤだけを硬くしたり、コーナリングの際はどちらか側面のタイヤだけを硬くしたりすることもできるようになり、全てのシーンで高い性能を実現するタイヤになるとのことです。
実際の開発にはまだまだ時間がかかるそうですが、大いに期待したい技術だと感じました。
次は、もう少し実現可能な時期が近い未来のタイヤのコーナーで展示されていた4つのコンセプトタイヤを紹介します。1つ目は「セルフ シーリング タイヤ」です。
タイヤの内部に特殊なシール材を仕込むことで、例えば走行中にタイヤにくぎが刺さった際に、その特殊なシール材が瞬時に隙間をふさぎ、パンクによるエア漏れを減少させるというものです。
2つ目は、サイドウォールに多数のディンプルやフィンを配置することで、空気抵抗の低減による燃費の向上や、車両の操縦安定性を高める、エアロダイナミクステクノロジーを採用した「ADVAN A50」。
3つ目は、モビリティの多様化が進むことによって増えてくる、高重量・低床構造車両への装着が想定される「高負荷小径タイヤ」。
そして4つ目は、タイヤの内部に振動を検知するセンサーを配置して、固有振動数の変化によりゴムの残り溝の量を数値化する「インテリジェント タイヤ マウンテッド センサー」です。
これら4つのコンセプトタイヤはすでに実用化のめどが立っており、近い将来、製品になるタイヤも出てくる可能性が高いとのことです。
最後に紹介するのは、既にスーパーフォーミュラ用のタイヤでは実用化されているモータースポーツ用の「サステナブル モータースポーツ タイヤ」のコーナーです。
可能な限り天然素材を使用したタイヤの製造をおこなうことで環境に配慮し、サーキュラーエコノミーを実現するタイヤを実戦の場で検証を続けています。
あえてレースという世界で実証実験がおこなわれているのは、サステナブル素材を使用したからと言って、安全性能やグリップ性能を落とすことが許されない世界だからとのこと。
実際に、全日本スーパーフォーミュラ選手権で使用されたサステナブル モータースポーツ タイヤ「ADVAN A005」を装着したマシンは2年連続総合優勝を果たし、サステナブル素材を使用しながらも高い性能をタイヤに与えられることが実証されています。
※ ※ ※
「ジャパンモビリティショー2023」は、2023年10月26日〜11月5日(一般公開は10月28日から)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催。横浜ゴムのブースは、東2ホールです。