新車や中古車にかかわらず、クルマの購入した際には「リサイクル券」という書類が渡されますが、これはいったい何のために必要なのでしょうか。
■「リサイクル券」はなくさないように大切に保管しよう
新車や中古車を購入する時には「リサイクル料金」が発生しますが、これはどういったものなのでしょう。
またこのとき発行される「リサイクル券」はどのようなもので、いつ使うものなのでしょうか。
クルマを購入する時には「リサイクル料金」を支払う必要があります。
これは、クルマが廃車される時に発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を適正にリサイクルするために使われる費用に充てられるもので、購入時点で支払うものです。
クルマが廃車になる時、その大部分は従来からリサイクルされていましたが、どうしても残ってしまうプラスチックくずなどは埋め立て処分されてきました。
さらに、エアバッグ類の処分には専門的な技術が必要となるほか、カーエアコンの冷媒として使われるフロン類はオゾン層破壊や地球温暖化の原因にもなるため、適正な処理が求められます。
しかし、処分場の不足や不法投棄、不適正処理が問題になってきたこともあり、シュレッダーダストやエアバッグ類、フロン類の適正な処分とリサイクルを行うため「自動車リサイクル法」によってリサイクルの仕組みが定められました。
自動車リサイクル法では、新車購入時にクルマの所有者が「リサイクル料金」を預託金として支払うことが義務付けられており、リサイクル料金を自動車リサイクル促進センターに預託した証明として「リサイクル券」が発行されます。
リサイクル料金は車種ごとに異なりますが、およそ6000円から1万8000円程度で、それ以外にも情報管理料金130円と資金管理料金290円がシステム運用費用として必要です。
基本的にリサイクル料金の預託は新車購入時に1回のみ行い、途中でクルマの所有者が変わった場合でも、リサイクル料金の追加預託が必要になったり、リサイクル券が新たに発行されたりすることはありません。
ただし、クルマが売買されてもリサイクル料金の預託状況は引き継がれるため、売却時にはクルマとともにリサイクル券を引き渡し、資金管理費用を除いたリサイクル料金相当額を買取業者から受け取ります。
また、中古車として購入する時にはリサイクル券も新しい所有者に引き継がれるため、新しい所有者はリサイクル料金相当額を支払って、リサイクル券を受け取ります。
このようにリサイクル券は所有者が変わっても引き継がれていきますが、原則再発行ができない仕組みとなっているため、なくさないように大切に保管しておかなければなりません。
一方で万が一紛失してしまった場合でも、リサイクル料金の預託状況自体には影響はありません。
また、自動車リサイクルシステムのウェブサイトで車台番号やクルマのナンバーを入力することで、リサイクル料金の預託状況を確認することができます。
さらに、このサイトから預託状況を証明する書類を取得して、リサイクル券の代わりとして使用することも可能です。
なおクルマを廃車する時には、クルマとともにリサイクル券を引取業者に引き渡すことになります。
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リサイクル券は自分のクルマが廃車になった後に、正しくリサイクルされるために必要な費用を支払った証明となる書類で、クルマを売却するなど手放す時や廃車にする時に必要となります。
もし紛失してしまってもリサイクル料金を改めて支払う必要はありませんが、クルマを売却する時などには提出を求められるため、大切に保管しておきましょう。