トヨタ先進技術開発カンパニーは、2023年10月28日から一般公開された第1回「ジャパンモビリティショー2023」で、コンパクトミニバン「シエンタ」をベースにしたコンセプトカー「JUNO」を世界初公開しました。
■「トヨタ先進技術開発カンパニー」がコンセプトカーを発表!?
トヨタは、2023年10月28日から一般公開の第1回「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」で、コンパクトミニバン「シエンタ」を「オシャレな部屋」に変身させるコンセプトカー「JUNO」を世界初公開しました。
小型の家具モジュールを組み合わせてアレンジする仕組みで、後席空間を多彩に変化することが可能です。
これまでの「東京モーターショー」に代わり開催されたJMS2023では、新たに「キャンピングカーエリア」が設置されました。
日本RV協会(JRVA)とのコラボによる企画で、国内の有名キャンピングカーメーカー各社が最新のモデルを出展しましたが、トヨタもその一角に展示を行いました。
SUVの「ランドクルーザープラド」や、ワンボックスの商用バン「ハイエース」など、アウトドアユーザーから人気の高いモデルをベースとしたモデルが並ぶなかで、ベージュ色のコンパクトミニバン「シエンタ」が異彩を放っていました。
このシエンタは外観こそノーマルのままですが、車内を全面的にカスタマイズしたコンセプトカー「JUNO」。手がけたのは「トヨタ先進技術開発カンパニー」です。
トヨタは2016年、仕事の進め方の変革を目的とした7つの社内カンパニー制を導入し、「レクサス」「コンパクトカー」や、「パワートレイン」「コネクティッド」といった製品群ごとにユニットを設定しました。
そのひとつが先進技術開発カンパニーで、未来のモビリティを創造するための先端研究や先行開発、そこで生まれた技術を実際の製品に仕立てる製品開発を手がける部門となっています。
先行開発とは未来のトヨタを考える重要な役割であり、機密情報も多いため、本来ならなかなか表舞台には出てこないもの。
しかし、今回新たに始まったJMS2023を主催する日本自動車工業会では「日本の未来を新しい仲間と一緒に創っていくショー」と定義付けしていて、こうした主旨に合致したことから、今回の展示につながったようです。
ちなみに担当したのは、トヨタ先進技術開発カンパニーのAD-2「コックピット&キャビン企画開発」部門だといいます。
■JUNOは「居心地」がテーマのあたらしいモビリティ
JUNOのテーマは「居心地をデザインする『あたらしいモビリティ』」で、今回はその一例としてシエンタをベースにしたJUNO仕様車が初公開されています。
その特徴は、小型モジュール化した家具パーツを組み合わせてソファやテーブル、収納などに自由にアレンジすることで、自分好みな「お部屋」を生み出すことができる仕組みにあります。
例えばクルマの移動先をリビングの「くつろぎ空間」としたり、仕事場代わりとなる「リモートワーク空間」に変化させることができます。
会場の担当者は次のように話します。
「キャンピングカーエリアということもあり『車中泊』は可能なのかと聞かれることも多いです。
もちろんそうしたアレンジも対応可能です」
加えて展示車には、窓ガラスの透過率を自在に変化させる「電子スクリーン」も装備されています。
会場では、スマートフォンのアプリから操作する仕組みも紹介され、窓ごとに遮光したりする様子を実演していました。
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なお今回展示されたシエンタ“JUNO”は、前席2人乗りの4ナンバー仕様を想定しており、後ろに着席して移動することは考えていないといいます。
またあくまでも参考出品としてますが、担当者は「会場での反響をもとに今後につないでいきたい」と話していることからも、そう遠くない時期に市販化が実現するかもしれません。
JUNOの今後の展開には、引き続き注目しておきたいところです。