トヨタは新型「クラウンセダン」を2023年11月2日に正式発表。11月13日に発売します。正統派セダンと称する新型クラウンセダンにはどのような特徴があるのでしょうか。
■15代目クラウン(セダン)の終了から約1年…正統派なクラウンセダン発売へ
2023年11月2日にトヨタは新型「クラウンセダン」を正式発表し、11月13日に発売します。
トヨタ自ら「正統派セダンを再定義する」という新型クラウンセダンは、どのようなモデルなのでしょうか。
初代クラウンが発売してから67年目となる2022年7月に16代目となったクラウン。
クラウンはこれまでセダンを基本に、クーペ、ワゴン、バン、ピックアップなど様々な派生したボディタイプを設定してきました。
しかし、12代目となる通称「ゼロクラウン」からはセダンのみのボディタイプとなり、13代目、14代目、15代目と続くなかで「クラウン=セダン」というイメージが定着。
これにより、2020年末に「クラウンセダン 生産終了」や「次期型はSUVになるのか」などと報道された際には大きな話題となりました。
そうした中で2022年7月に行われた16代目の発表会で、ミッドサイズ・ビークルカンパニー プレジデントの中嶋氏は次のように述べています。
「16代目のクラウンの開発は、はじめに歴代主査の想いに触れ、そもそも『クラウンとは何か?』を徹底的に見つめ直すところから始めました。
そこには、クルマの形や、駆動方式という決まりは何もありませんでした。
ある程度カタチになり、社長の豊田から『これで行こう』とゴーサインが出たと同時に、新しい宿題が出ました。
『セダンも考えてみないか?』
発想を変え、『原点』に戻った今だからこそ、豊田は、セダンをやってみたらどうかと、問いかけているのだと受け止めました。
それならば、この多様性の時代、ハッチバックや、ワゴンも必要だと、4つの異なるモデルを提案した、というのが正直な経緯です」
そして発表されたのが、セダンとSUVを融合させた「クラウンクロスオーバー」、スポーツSUVの「クラウンスポーツ」、正統派セダンの「クラウンセダン」、ステーションワゴン×SUVの「クラウンエステート」の4タイプです。
その中で新型クラウンセダンについて前出の中嶋氏は「このクラウンは、正統派セダンとして、新たなフォーマル表現と共に、上質さ、快適さ、を追求しました。ショーファーニーズにも十分お応えできるモデルです」と説明していました。
その後、海外モーターショーや日本でのモータースポーツイベントなどに新型クラウンセダン(プロトタイプ)を展示。
さらに2023年9月の新型「センチュリー」発表会や10月の六本木で開催されたクラウンイベントでもお披露目されるなど、常に注目されてきたモデルです。
今回、正式発表された新型クラウンセダンのボディサイズは全長5030mm×全幅1890mm×全高1475mm、ホイールベース3000mmとなり、15代目クラウンと比べてひと回り以上も大きくなっています。
またエクステリアデザインは他のクロスオーバー、スポーツ、エステートと異なる威厳を感じさせるフロントグリルを採用、インテリアデザインでも唯一の木目パネルや後席に王冠エンブレムを付与するなど、まさにクラウンを体現するモデルです。
またパッケージもショーファーカーとしても十分通用する後席の居住性を確保しています。
パワートレインは、「HEV(ハイブリッド車)」と「FCEV(燃料電池車)」を設定。
HEV(ハイブリッド車)は2.5リッターマルチステージハイブリッドシステムを採用したことにより、従来はエンジン最高出力を使用できる車速領域が約140km/hでしたが、約43km/hから使用可能に。
FCEV(燃料電池車)は、第2世代FCシステムを採用した3本の高圧水素タンクと燃料電池などを搭載し、1回あたり約3分の水素充填で約820km走行可能です。
価格はHEV(ハイブリッド車)が730万円、FCEV(燃料電池車)は830万円となります。
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なおこれまで展示されてきた新型クラウンセダンに対してユーザーからは「実車を見ると存在感が凄すぎる!」、「セダンのデザインがお気に入りかも」、「セダンはクロスオーバーと違う雰囲気でありかも」という声、そして「やっぱりクラウンはセダンが1番良い」という声も見受けられました。
新型クラウンセダンが正式に発売されたことでクロスオーバー、スポーツと合わせた3モデルが登場し、残るエステートの登場にも期待が高まります。