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スズキが新型「コンパクトSUV」を2025年発売へ! 「斬新シフト」採用の最上級SUV「eVX」実車展示

くるまのニュース 2023年11月5日 19時10分

ジャパンモビリティショーのスズキブースでは、市販投入も想定されている「eVX」が展示されました。どのようなモデルなのでしょうか。

■2025年までに投入!? スズキ新型「eVX」

 ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)のスズキブースに展示された「eVX」に関して筆者がまず驚いたのは、ショーに展示するために作られたショーカーだと思いきや、市販を予定しているモデルだということでした。

 2025年までに市販化し、インド、欧州、そして日本で発売するといいます。また、すでに海外では市販仕様のプロトタイプと思われる車両の公道テスト走行風景もスクープされています。

 この車両、ショーに出展するのは初めてではありません。2023年1月にインドで開催された「Auto Expo 2023」で公開され、JMS2023は2度目の展示となります。

 ただ、前回のインドのモーターショーとは大きな違いが。それは作り込まれた範囲です。インドで展示された際は外観だけでしたが、JMS2023ではインテリアまで作り込まれてバージョンアップしているのです。ちなみにインドで展示された際は「インドや欧州で発売」とアナウンスしていました。

 車体は全長4300mm×全幅1800mm×全高1600mm。現在販売しているガソリン車の「エクスード」よりも“少し大きい”といったところ。まさにインド、欧州、そして日本で売れ筋となっている「コンパクトSUV」のサイズです。

 実は、2025年までに発売予定のこのeXVの市販モデルは、スズキにとって大きな意味があります。それはスズキにおけるEV世界戦略車第一弾だということです。

 スズキは2024年の春頃に同社初となるEVの発売を予定していますが、それは日本国内向けの軽バンで、しかもガソリン車の車体をベースにEV化したモデルです。ビジネスニーズを狙ったものであり、幅広いユーザーへアピールする存在ではありません。

 一方eXVは一般ユーザーが対象。そしてEV専用に設計された車体を使うこととなるでしょう。

 JMS2023に出展されたモデルを真横から見ると、全長のわりにボンネットが短く、その分キャビンの前後長を長く確保して居住スペースを広げたパッケージングとなっていることが理解できます。

 コンセプトモデルは60kWhのバッテリーを搭載し、500km(インドMIDCモード計測で550km)の航続距離を実現するとのこと。比較的コンパクトな車体ですが、日常的な都市内移動だけでなく長距離移動も視野に入れていることが分かります。

 また、興味深いのはスズキが「電子制御の四輪駆動技術をさらに進化させ、スズキのSUVにふさわしい本格的な走行性能を実現するEVモデル」と説明することです。スズキにとって最大のマーケットとなっているインドではまだ未舗装路も多く、田舎に行けば見た目だけのSUVではなくしっかりと悪路を走れる性能に高いニーズがあります。

 最低地上高がしっかり確保されていることからも、従来のエンジン車のSUVから乗り換えても期待を裏切らない走破性を備えたEVとして開発されていることが伝わってくるといっていいでしょう。

 ところで、スズキはカナダに拠点を置きEV向けの軽量・小型・高効率な2段変速機を開発しているスタートアップ企業のInmotive社と「Ingear」と呼ぶEV向けの2段変速機の共同開発を進めていて、2023年10月20日には同社へ出資したことも公表しています。市販仕様にはその2段変速機が搭載されるかもしれません。

※ ※ ※

 2025年までに発売するとしているeXVですが、今回展示されたものはあくまでその市販車のイメージを織り込んだショーカーです。

 車体サイズや基本的なパッケージングとデザインの雰囲気は市販仕様にも継承されますが、市販モデルは天井が高くなったり、未来的な意匠がおとなしくなったりするなど見た目に関してはもっと現実的なデザインとなるでしょう。

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