米国日産は米国ラスベガスで開催された「SEMAショー2023」に「サファリラリーZトリビュート」を実車展示しました。どのようなモデルなのでしょうか。
■1971年の「ダットサン240Z」をオマージュ
日産の米国法人は、2023年10月31日から11月3日まで開催されたカスタムカーショー「SEMAショー2023」において、「サファリラリーZトリビュート」を世界初公開しました。
同社のブースでは、オマージュ元の「ダットサン 240Z」(レプリカ)やほかのカスタムモデルとともに実車展示されています。
サファリラリーZトリビュートは、2021年8月に登場した現行「Z(日本名:フェアレディZ)」をベースに、1971年のサファリラリーで優勝したダットサン 240Z ラリーカーをオマージュしたモデルです。
カスタムを手掛けたのは、サウスカロライナを拠点に活動するカスタム車メーカー、トミー・パイク・カスタムズで、現行モデルのZで味わえる爽快感をオンロードに限定させずに昇華させることをイメージしたといいます。
カスタム内容は、現在SUVをはじめトレンドとなっている頑丈な「サファリ」ルックに仕上げ、オフロード向けサスペンションの装備とともにエクステリアも変更。
通常は舗装路のサーキットを走行するスタイリングから、砂にまみれるラリー競技の世界観へと大幅なイメージチェンジを図りました。
サスペンションはKW(カーヴェー)製サファリサスペンションとNISMO製サスペンションパーツを装着することで車高を2インチ(50.8mm)アップ。
ホイールは、17×7.5インチのNISMO製サファリホイールに、ヨコハマのダート走行向けタイヤ「GEOLANDAR M/T G003」を装着しました。
また、悪路においてシャシやパワートレインを保護する目的で、フロントバンパーガードとスキッドプレートを採用しています。
エクステリアはレッドとブラックの2トーンカラーとなっており、サイドのデカール類がラリー競技車両であることをアピールするとともに、ダットサン 240Z ラリーカーを忠実に再現しています。
ロアグリル下部やボンネット先端、Aピラー下部にはNISMO製オフロードLEDライトを装着。砂ぼこりの舞うコンディションやナイトレースであっても視界を確保します。
インテリアは、ロールバーや4点式ハーネス、レカロ製ポールポジションシートを装備しました。
搭載されるパワーユニットは3リッターV型6気筒ツインターボエンジンに変更ありませんが、チューニングメーカーAMSによりパワーアップが施され、400psオーバーの出力を発揮。
さらに、排気系統はNISMO製Trackキャットバックエキゾーストシステム、冷却系統はコールドエアインテーク、カーボンファイバーエンジンカバー、クーラントエキスパンションタンク、ヒートエクスチェンジャーを装備し、過酷なコンディションにも対応。
また、ストリートツインディスククラッチとフライホイール、トミー・パイク・カスタムズブレーキを組み合わせ、走行性能の向上を図りました。
※ ※ ※
ダットサン 240Zは、1971年の第19回東アフリカ・サファリラリーに初出場し、1-2フィニッシュを飾り総合優勝を果たしたラリーカーです。
日産は前年1970年に、「ダットサンブルーバード(510型)」で総合優勝しており、このダットサン240Zによって2連覇の偉業を達成。これにより、ラリー界において日産の存在感を大きく増しました。