冬が近づき、スタッドレスタイヤへの交換時期となってきました。ではスタッドレスタイヤへの変更はいつ頃行ったほうが良いのでしょうか。また、昨年まで履いていたタイヤがそのまま使えるのでしょうか。“スタッドレスの交換”に関する大事なことを解説します。
■スタッドレスタイヤは早めの準備が大切
冬が近づいたらスタッドレスタイヤに交換するという人の中には、いつ頃交換したら良いのか迷ってしまう人もいるかもしれません。
また、昨年まで履いていたタイヤがそのまま使えるのでしょうか。新しいタイヤに交換した場合は慣らし運転が必要だといいますが、実際はどうなのでしょうか。
天気予報で初雪の可能性が報じられると、タイヤ販売店やガソリンスタンドではタイヤの交換が順番待ちになるなど、すぐに交換できないことが考えられます。
また、雪が降らなくても、寒い時期には路面が凍結する可能性もあるため、初雪の予報を待たず早めにスタッドレスタイヤに交換しておくほうが安心です。
ブリヂストンは、平年の初雪日の2週間から1か月前を目安に、スタッドレスタイヤに交換することを推奨しています。
平年の初雪日は、東京や横浜などは1月初めですが、西日本は12月中旬、東北や北陸は11月、北海道は10月末頃と、地域によって大きく異なります。
そのため、自分の住んでいる地域の初雪日のほか、クルマで広範囲に移動する可能性のある人は、そのエリアの初雪日を確認して、余裕をもって交換しておきましょう。
さらに、早めに交換することは、予想外に早い初雪や路面の凍結に備えられたり、お店の混雑を避けられたりする以外にも、タイヤの変化に慣れる期間を設けられることがメリットです。
特に、新品のスタッドレスタイヤに交換してすぐに高速道路などの過酷な条件で走行すると、異常発熱によりタイヤが損傷を起こしやすくなる恐れがあります。
「慣らし運転」をすることで、タイヤの表皮が取れて本来のグリップを発揮することができますが、スタッドレスタイヤの慣らし運転は、60km/h以下の速度で200kmの走行が目安になるといいます。
最近のスタッドレスタイヤは、新品からいきなり雪道を走行してもある程度の性能が発揮できるよう作られていますが、慣らし運転を行うことでタイヤを馴染ませることができ、ユーザーも新しいタイヤに慣れることができるため、安全走行につながります。
タイヤの慣らし運転とユーザー自身がタイヤになれる期間を設けるためにも、余裕を持ったタイミングでの交換が重要です。
なお、前のシーズンで使ったタイヤに交換する場合、タイヤの摩耗状況によっては使えなくなっていることもあるため、事前にタイヤの状態をチェックしておくことが大切です。
スタッドレスタイヤは溝の深さが十分に残っていると思えても、新品から50%程度摩耗すると雪面や凍結路面での性能が発揮できません。
性能が十分でないタイヤは、積雪や凍結した路面で滑りやすくなったり、制動距離が長くなったりする恐れがあるため、そのまま使用するのは危険です。
摩耗状況は、タイヤに表示された「↑」から接地面までたどったところの溝の間にある「プラットフォーム」というギザギザの突起で確認できます。この突起が露出してきたら新品から50%摩耗したと判断できます。
急にスタッドレスタイヤが必要になって慌てないためにも、早めの確認と交換を行うよう心がけましょう。
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急激に寒くなって初雪の予報が出たりすると、お店が混み合ってすぐに交換できない可能性もあるため、平年の初雪日の2週間から1か月前を目安に交換すると良いでしょう。
また、前シーズンで使ったタイヤは保管中にも劣化が生じている恐れがあります。
タイヤの溝の深さ以外にもひび割れなど劣化が確認できる場合には、新しいタイヤへの買い替えを検討しましょう。