今や高速道路を利用するためには必須アイテムといえる「ETC」。しかし車載器に差し込む「ETCカード」は“差しっぱなし”にしたままで良いのでしょうか。
■抜く?抜かない?どっちが正解なんだい!
クルマに取り付ける「ETC」は、高速道路の料金所で止まってお金を支払う必要がなく、また付随する様々なサービスも享受できるので、今や高速道路を快適に利用するために必須のアイテムとなっています。
そんなETCを使用するには、必ず「ETCカード」を車載器に差し込む必要がありますが、クルマに乗るたびにカードを抜き差しするのは面倒だと感じる人もいるでしょうなもの。
では、ETCカードを“差しっぱなし”にすることに何か問題はあるのでしょうか。
これについて自動車ディーラーの販売スタッフに話を聞いたところ、以下の回答がありました。
「ETCカードは降車時に必ず車載器から抜くようにしてください。その理由としては、第一に『防犯』という面があります。
例えば、万が一クルマが車上荒らしに遭った際、ETCカードを車載器に差しっぱなしにしていると、ETCカードも盗まれる可能性が高いのです。
ETCカードが盗まれた場合、カード会社に連絡すれば利用を停止することは可能ですが、発覚や停止が遅れると大きな被害が発生することも考えられます。
もちろん盗難補償が付帯しているカードであれば、基本的には不正に利用されたお金は請求されません。
しかし、『ETCカードを差しっぱなしにしていた』という内容が本人の過失と見なされた場合、不正利用されても補償の対象外になってしまう可能性もあります」(自動車ディーラーのスタッフ)
そのほかにも、ETCカードを差しっぱなしにすることでトラブルを招いた事例があるといいます。
例えば、夏場など車内が高温になる時期は、熱でETCカードが変形したり、ICチップが故障して「ETCカードが使えなくなる」ことが実際に発生しています。
しかもETCカードが変形して車載器から取り出せないとなると、分解して取り出すために修理や交換が追加で必要になることも。
車載器は上級モデルだと数万円は下らない高額品ですし、新たに購入すればセットアップなどの工賃も発生するため、予期せぬ出費に見舞われることは避けたいもの。
また、ICカードのチップが故障して使えなくなると、カード会社に連絡しETCカードの再発行手続きを行う必要もあります。
いちいちETCカードを抜き差しするのは手間だと感じるかもしれませんが、万が一の事態である盗難や故障のリスクを考えると、たとえ面倒でも使用しない状態ではETCカードは抜いてをおき、差しっぱなしにするのは避けるべきと言えるでしょう。