いわゆる「リセールバリューが高い」クルマとして人気な車種といえばトヨタ「ランドクルーザー」や「アルファード」が挙げられますが、それ以外にも様々な車種が支持されているといいます。どういったモデルなのでしょうか。
■今狙い目は「カローラクロス」のハイブリッド!?
下取り価格が高いクルマ、いわゆる「リセールバリューが高い」クルマとして真っ先に浮かぶのは、トヨタのSUV「ランドクルーザー」や、高級ミニバン「アルファード」などです。
ただリセールバリューが高いクルマはこうした超人気モデルだけではなく、ほかにも色々とあるようです。
中古車買い取り専門店の査定担当者に、なぜランドクルーザーの人気が高いのかを聞いたところ、次のように教えてくれました。
「ランドクルーザーは中東の国、パキスタンへ多く輸出されています。
頑丈で壊れにくく、走破性も高いクロカンSUVですので、砂漠でも高速道路でもどこでも走り回れると、現地で大人気なのです。
現行型ランドクルーザー(300系)のほかにも、先代の200系ランドクルーザーの人気も高く、5年落ちのランドクルーザーが新車価格と近い700万円で中古車オークションにて取引された事例もありました」
新車で買い数年間保有したあとでもほとんど値段落ちしないというのですから、買い得感の高いクルマといえます。
査定担当者は、他にも人気の車種を挙げています。
「トヨタ『ハリアー』や『アルファード』、レクサス『RX』も、下取り査定が高くなりやすい車種です。
これらのクルマが向かうのは東南アジアの国、マレーシアです。
治安がよく、またお金持ちも多いようで、現地では高級車が多く走りまわっています」
マレーシアではほかにもトヨタ「ヴェルファイア」や「エスティマ」といったラージミニバンや、「ノア/ヴォクシー」といったミドルクラスミニバン、スズキ「ジムニーシエラ」のような小型SUVも多く輸出されているといいます。
いずれも日本で新車、中古車問わず人気のある車種ですが、実はこうした海外市場での需要も人気を支えていたのです。
意外ところでは、トヨタ「カローラクロス」ハイブリッドモデルも、下取り価格が落ちにくい傾向にあるといいます。
査定担当者はその理由についてこう語ります。
「カローラクロス ハイブリッドの中古車が向かうのは、南アジアに位置するバングラデシュです。
日本の国土の4割ほどの広さに約1億7000万人が暮らしており、IT大国として有名な国です」
バングラデシュではかつて、トヨタの小型セダン「プレミオ」が大流行したこともあり、5年近く経過した中古車が、新車同様の価格で落札された、という事例もあったといいます。
プレミオ人気が高かった2000年代前半から2010年代中頃にかけ、国内では既にセダン車需要の低迷が深刻な状況でした。
そんななかでも、プレミオだけが密かに高価買い取り価格で取り引きされていたことは、一般にはあまり知られていない事実です。
■新型「アルヴェル」の中古車人気を支えていたのは国内需要ではなかった!?
2023年6月にデビューしたばかりの新型「アルファード ハイブリッド」や、現行型の「ノア ハイブリッド/ヴォクシー ハイブリッド」の場合、中古車オークションで走行距離がゼロに近い新古車がたびたび新車を上回る価格で落札されています。
国内での長い納車待ちにしびれをきらした購入希望者の手に渡るケースもありますが、前出の査定担当者は、別の場合もあると話します。
「これらのクルマは輸出でも人気です。行き先は、世界で最も物価の高い国であるシンガポールです」
コロナ禍によって新車製造遅れが発生したここ数年は、いわゆる「転売ヤー」も多く発生して、社会問題になっていました。
高い新車需要のために高騰した国内外の中古車相場を狙い、新車購入後に即オークションへ出して利益を得るという人たちです。
ここ最近になり新車供給の遅れが回復しつつあることから、そうした動きもようやく落ち着きをみせつつあるといいます。
しかしそのなかでもデビューして間もない新型アルファ―ド人気は、まだまだこれからが本番となりそうです。
※ ※ ※
ちなみに上記で紹介した海外の国の多くは、日本と同じく左側通行・右ハンドルの国です。
ハンドル位置を改造することなく、日本のクルマでもそのまま走ることが可能というのも人気のポイントとなっています。
ここまで記してきた人気のクルマを頭の隅に留めておくと、よりお得にカーライフが過ごせるかもしれません。