「エコ運転」の方法として「ふんわりアクセル」というテクニックが知られていますが、近年急速に普及が進むハイブリッドカーやEVといった電動車にそのワザは通用しないとSNSでは話題を呼んでいます。どういったことなのでしょうか。
■ハイブリッド車普及にともない「エコ運転」のテクニックも変化していた!
エコ運転のテクニックとして「ふんわりアクセル(eスタート)」を推奨する声があるなか、これは古い技術だと指摘する意見もあります。
特に近年急速に普及が進むハイブリッドカーの場合は、むしろ「メリハリアクセル」に心がけたほうが効率的だといいますが、こうした話題に対しSNSなどでは多くの議論が交わされています。
クルマが燃料を最も消費するのは、最初に重たい車体を動かそうとする「発進時」です。
そこで、発進から5秒間で時速20キロ程度までを目安する“ふんわりアクセル”を心がけることで、一説には10%も燃費が改善するといいます。
ただしこれは、あくまで純ガソリン車に適したテクニックだといいます。
近年主流となっているハイブリッド車の場合には、電力を使ってモーター走行する時間を長くとることが燃料消費を減らす、つまり燃費改善のコツといえます。
ハイブリッド車の場合、加速時にはエンジンとモーターのトルクが一体となって加速するため、エンジンが働く時間を短く済ませ、モーター走行を長くすることが、燃費改善には効果的なのです。
車速が上がったらアクセルペダルから足を完全に「パッ」と離し、エンジンが停止して電動走行へと切り替わったことを音や振動、メーター表示などで確認。こうすることで、クルマに「もう加速する必要がない」と認識させ、エンジンを停止させるのです。
このメリハリが重要で、その後はエンジンが起動してないかを常に意識しながら、アクセルペダルをこまめに調整し、エンジンが休止している状態をできるかぎり長く維持しながら、一定速走行を続けます。
車速が落ちてきたら、やや強めに加速をして、また巡航走行に戻ったらアクセルペダルを離す、といった操作を繰り返します。
ハイブリッド車やバッテリーEV(電気自動車)には、減速時のエネルギーを回収してバッテリーへ充電する「回生」という機能があります。
アクセルペダルから足を離して惰性走行をすることで回生が行われ、電動走行できる距離が伸びるため、この方法で運転することでさらに燃費(電費)がよくなるのです。
■「自分だけが良ければいいのか」過度なエコ運転ドライバーを非難する声も
こうしたアクセル操作のテクニックに対し、SNSなどでは様々な意見が寄せられています。
多くは「過度に“ふんわりアクセル”し過ぎると加速しないだけだしむしろ燃費悪い」「たまに極端に加速が遅いクルマがいて、もはや迷惑以外の何者でもなかった」「個人の低燃費以上に、周囲の流れに乗ることも大事」など、ふんわりアクセルをし過ぎるドライバーに対し、さすがにちょっと自分勝手すぎるのでは、と感じている様子が伝わります。
一方、メリハリあるアクセル操作については「かつてのプリウスの取説には『速やかに目標速度に到達させアクセルを抜くの繰り返しが燃費向上の推奨運転方法』と書いてあった」「“メリハリアクセル”大事ですね」と、賛同する声もが目立ちます。
また反対に「回生ブレーキの協調が上手くいってなくて停止時“カックン”ブレーキになるクルマもある」「買った軽が停止するはるか前からアイドリングストップするクルマで、運転には結構気を使った。買う前は試乗しないとダメだと思った」と、停止時に求められるテクニックや独自の機能などに対するコメントも見られました。
周囲の流れに迷惑をかけないことを前提に、自身の愛車に適したアクセル操作をすることがこれまで以上に求められているようです。