ホンダの主力SUV「ヴェゼル」は長期の納車待ちが続いていましたが、徐々に解決に向かっているようです。現状を聞いてみました。
■ホンダ「主力SUV」 長納期化解決の兆しも見えた?
ホンダのコンパクトクロスオーバーSUV「ヴェゼル」は同社のラインナップのなかでも主力モデルとなっている一方で、発売からしばらくは長期の納車待ちが発生していました。
現状はどうなっているのでしょうか。
初代ヴェゼルは2013年に登場。SUVが持つタフで力強いイメージとクーペスタイルの流麗なボディを組み合わせています。
スタイリッシュなデザインや手頃なサイズ、ハイブリッド車の設定などが功を奏し、人気ジャンルであるコンパクトSUV市場において存在感を発揮。販売台数も伸ばしました。
現行型は2代目で2021年4月に発売。クーペライクなスタイリングをさらに際立たせるとともに、水平基調のスクエアなデザインを採用しました。
パワーユニットにはホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、低燃費性能と高出力化を両立したほか、先進運転支援「ホンダ センシング」を全タイプに標準装備するなど、安全性能も高めています。
ラインナップは1.5リッターガソリン車が「G」のモノグレードのみ、ハイブリッド車が「e:HEV X」「e:HEV Z」「e:HEV PLaY」の3タイプを設定。「e:HEV PLaY」を除く全てのグレードでは4WD車も用意しています。
しかし、2020年後半から世界的な半導体不足やコロナウイルス感染拡大による生産ラインの停止に見舞われ、部品供給が不透明な時期が長く続いており、多くのメーカーで新車の長納期化が起こるという事態に陥り、ヴェゼルもそのあおりを受けていました。
一方、現在ホンダの公式サイトでは、長納期化が深刻であった時期とくらべ、工場出荷時期目処の改善が見られます。
これについてホンダの担当者は以下のように説明します。
「部品の供給問題等が改善の方向に向かっており、以前よりも納期は短くなっています。
現時点では、人気のグレードにおいては3~4か月程度となります」
半導体不足などの問題は徐々に解決されており、それに伴って長期の納車待ちは改善傾向にあるようで、毎月自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表する販売台数にも変化が見られます。
現行ヴェゼルは2022年後半より3000台~4000台が登録され、ランキング上で20位前後を維持していましたが、2023年10月の登録車台数ランキングでは8位(7085台)となっています。
一方で、一部グレードや特定の装備を選択すると納期が変化するとも話します。
「e:HEV PLaYは部品の供給問題等により、お待たせしているお客様へお届けすることを最優先として生産をしているため、現在も受注を停止しております」(ホンダ担当者)
2トーンカラーやグレージュインテリアを採用するカジュアルグレードであるe:HEV PLaYは、発売早々より受注が停止されており、いまだに注文できない状態が続いているようです。
また、ホンダの販売店スタッフは以下のように話します。
「e:HEV PLaYは1年数ヶ月前に一旦受注を再開しましたが、受注停止が続いており、再開時期は不明です。
そのほかのグレードでは今(11月上旬)に注文すると、納車はガソリンモデルでは早くて2024年1月頃、e:HEVモデルで24年1月から3月ごろを見込んでいます。
注文が可能なグレードでも、ブラインドスポットインフォメーションを装備すると納期が長くなります」
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なお、ホンダの担当者はこのほかの車種の納期について、このように説明します。
「確実なお答えをすることは難しいですが、(ヴェゼルで)納期が短くなっている状況を踏まえると、(今後)納車が早まる可能性もございます」
ヴェゼルに限らず、おおむね長納期問題は解決傾向にあるようですが、依然として不透明な状態も一部続いているため、新車を検討しているのであれば早めに問い合わせたほうがよさそうです。